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電流で制御できる電子相

  • 理学部/理学研究科
  • 物質理学専攻(物理系)
  • (機能性物質物性研究室)

教授 寺﨑 一郎[てらさき いちろう]

http://vlab-nu.jp/index.html

シーズの概要

遷移金属酸化物や有機伝導体では、電子同士のクーロン斥力がうまく遮蔽されないために、互いが相関して運動する。このような系は強相関電子系と呼ばれ、様々な電子相を取ることが知られている。我々はその電子相の一種である、電荷秩序相やモット絶縁体相が、外部電流によって融解することを見出した。

この研究の新規性・独創性

電気や熱の流れがある系は熱平衡状態になく、従来の物理学では振る舞いを予測できない。このような非平衡状態を理解し制御するためには、その典型例となる物質が必要である。図1は我々が見出した酸化物結晶で電流通電によって電気抵抗率が系統的に低下している。

産学連携を目指した応用研究

電流で制御できる電子相は、電流によって1000倍以上変化する抵抗を与えたり、電流によって従来のピエゾ素子の1000倍以上の電歪効果を示す。これはまったく新しいエレクトロニクスの芽を示唆している。

一言アピール

我々は新物質発見の時代にあり、50年代に開発された半導体の持つ能力を超える機能と夢をこれらの新物質に託している。我々は、新物質の持つ機能を開発し、将来における機能性材料とそれを支える学理の追求を行っている。

キーワード

遷移金属酸化物、熱電変換、有機伝導体、非線形伝導、セラミックス、エネルギー変換、磁性体、巨大応答、強相関電子系、物質開発、物質機能開拓

保有技術

  • 各種酸化物の単結晶・多結晶育成
  • 抵抗率、熱起電力、ホール効果、熱伝導率、誘電率、磁化率、光学反射率、比熱の精密測定
  • 黒体放射による等温非線形伝導計測、磁場中誘電率・分極測定、ハーマン法熱電特性測定

主な機器

  • Quantum Design PPMS, MPMS, クリスタルシステム社赤外イメージ電気炉、リガクX線回折装置、日本分光社高速フーリエ分光計、山田電機社ボックス電気炉、リガク熱天秤、そのほか自作の精密計測装置多数

主な論文

  • F. Sawano, I. Terasaki, H. Mori, T. Mori, M. Watanabe, N. Ikeda, Y. Nogami and Y. Noda, "An organic thyristor", Nature 437 (2005) 522-524
  • R. Okazaki, Y. Nishina, Y. Yasui, F. Nakamura, T. Suzuki, and I. Terasaki, "Current-induced gap suppression in the Mott insulator Ca2RuO4", J. Phys. Soc. Jpn. 82 (2013) 103702