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キラル超原子価ヨウ素(III)触媒

  • 工学部/工学研究科
  • 有機・高分子化学専攻
  • 有機化学講座
  • (触媒有機合成学研究グループ)

教授 石原 一彰[いしはら かずあき]

http://www.ishihara-lab.net/

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  • (触媒有機合成学研究グループ)

助教 UYANIK MUHAMMET[うやぬく むはめっと]

シーズの概要

C2対称かつ配座柔軟性に富む超原子価ヨウ素(III)酸化触媒を開発した。キラル源に乳酸を用いた第1世代触媒と、2−アミノアルコールを用いた第2世代触媒を設計した。共酸化剤としてメタークロロ過安息香酸(m-CPBA) 存在下、超原子価ヨウ素(III)活性種はin situで調製できた。本触媒を用いてフェノール類の触媒的酸化的脱芳香化反応において高いエナンチオ選択性を達成した。また、適切な親ジエンとワンポットで反応させることで、対応する環化付加体を高い化学及び不斉収率で得ることに成功した。特に、活性の高い第2世代触媒は、基質適応範囲も広く、低活性なフェノール誘導体の脱芳香型酸化反応も効率よく進行し、高い不斉収率で対応するスピロラクトンが得られた。この成果によって、様々な医薬品中間体として有用な光学活性スピロラクトンを不斉合成できるようになった。尚、この柔軟かつ機能的触媒は、様々な酸化的変換反応に対し世界中で利用されるようになってきている。

この研究の新規性・独創性

従来の重金属酸化剤や遷移金属触媒を一切用いず、超原子価ヨウ素化合物を有機分子触媒として用いる環境低負荷型な不斉酸化手法を開発した。ヨードアレン部位、キラルリンカー部位、官能基部位の3つのユニットから構成されるC2対称な構造を有する柔軟なキラルヨードアレンを設計した。これらの触媒設計では、3つのユニットの組み合わせを容易に検討することができ、触媒のスクリーニングが容易になる。配座が柔軟な触媒設計では、酵素のような非共有結合性二次相互作用により有効な不斉場の構築が可能であった。また、アキラルなアルコールの添加によって触媒活性やエナンチオ選択性がコントロールできた。こうして、当該分野においてこれまでにない高いエナンチオ選択性(99% ee以上)を達成できた。

産学連携を目指した応用研究

エナンチオ選択的酸化的脱芳香族化反応によるスピロラクトンの不斉合成

一言アピール

非金属系高エナンチオ選択的酸化触媒を用いるスピロラクトンの不斉合成

キーワード

超原子価ヨウ素、エナンチオ選択的酸化触媒、酸化的脱芳香族化、フェノール、スピロラクトン

保有技術

  • エナンチオ選択的酸化反応、酸化的的脱芳香族化

主な特許

  • 特許第5747332号
  • 特許第5688647号

主な論文

  • M. Uyanik, T. Yasui, K. Ishihara, Angew. Chem. Int. Ed. 2010, 49(12), 2175-2177.
  • M. Uyanik, T. Yasui, K. Ishihara, Tetrahedron, 2010, 66(31), 5841-5851.
  • M. Uyanik, T. Yasui, K. Ishihara, Angew. Chem. Int. Ed. 2013, 52(35), 9215-9218.
  • M. Uyanik, 安井猛,石原一彰, 和光純薬時報, 2011, 79(2), 2-5.