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新規生体吸収材料を用いた脆弱性骨折治療法の開発

  • 医学部/医学系研究科
  • 手の外科学

特任講師 西塚 隆伸[にしづか たかのぶ]

http://meidai-seikei.jp/group/tenogeka

  • 医学部/医学系研究科
  • 手の外科学

教授 平田 仁[ひらた ひとし]

シーズの概要

ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)は微生物がエネルギー源として体内に貯蔵するポリエステルであり,クローン技術を使えば大量生産することも可能な新規生体吸収材料である。我々は、4-HB(4-ヒドロキシ酪酸)という非常に伸展性に富むモノマーを多く含んだPHAを合成する技術を確立したので、医療分野に応用することを考えた。脊椎圧迫骨折は本邦では高齢者を中心に年間100万件発生しており,早期離床を可能とする低侵襲治療としてバルーン椎体形成術が普及してきている。しかし,文献によればCT上6割の患者に椎体外へのセメントの漏出が確認されており、時に肺塞栓などの深刻な合併症も報告されている。我々の考案した方法は、脊椎圧迫骨折に対し、400%の伸張性を有するPHA不織布製バッグを椎体内にデリバリー後、バッグ内にセメントを注入することでセメントの椎体外漏出を防ぎつつ、圧注により膨らんだバッグ表面にセメントがじんわりと滲みだす仕組みとなっているので,骨折椎体内への安全かつ隙間のより少ないセメント充填を実施可能にしており、従来法と比べての圧縮強度の強化や、セメントと骨との接着も実現している。

この研究の新規性・独創性

従来の椎体形成術は2STEPが必要で、つまり、まずバルーンを拡張し圧迫骨折した椎体の内部にスペースを作っておいてからバルーンを回収後にセメントを注入していた。本法は、生体吸収性材料をバルーン代わりにしているため、バルーンの回収が不要であり、1STEPの工程で済む。なおかつ、セメントの圧注により、セメントは漏れでないがPHAバルーンの表面に適度に染み出しはするので骨との良好なBondingも実現している。このPHAは400%の伸展率を有しており、例え圧迫骨折した椎体内が複雑な形状をしていても、PHAバルーン内へのセメント注入により自由に形状を変え、空洞を埋めることが出来る。

産学連携を目指した応用研究

椎体圧迫骨折治療としての本法の有効性を大型動物にて研究する予定

一言アピール

PHAは今後医療展開が大きく拡大する事が期待される伸展性に富む生体吸収性ポリマーであり、我々はその生産技術を持っている。現在、このPHAを使って圧迫骨折を治療するデバイスを設計・作成してくださる企業を探しています。

キーワード

PHA、生体吸収材料、圧迫骨折

保有技術

  • PHAの生産技術

主な特許

  • 骨充填剤及びその充填キットに関する特許 特許第4568899号
  • PHAから作製された3次元構造体、骨充填材の調整用キット、および髄内釘に関する特許 特許第5900909号
  • 骨欠損部充填材料およびその製造方法に関する特許 WO 2015005205 A1

主な論文

  • 新規生体吸収材料としてのPHA 西塚隆伸、平田仁. 整形外科・災害外科 Vol.57 No.13 P1723-1729, 2014
  • Novel intramedullary-fixation technique for long bone fragility fractures using bioresorbable materials. Nishizuka T, Kurahashi T, Hara T, Hirata H, Kasuga T. PLoS One 2014;9(8):e104603.
  • Enhancing the mechanical properties of calcium phosphate cements using short-length polyhydroxyalkanoate fibers. Ogasawara T, Sawamura T, Maeda H, Obata A, Hirata H, Kasuga T. Journal of the Ceramic Society of Japan. Vol.124 (2016) p. 180-183