1. HOME
  2. タイトジャンクションを強化する新規薬剤

タイトジャンクションを強化する新規薬剤

  • 創薬科学研究科
  • 基盤創薬学専攻
  • 構造分子薬理学分野
  • 創薬分子構造学講座

教授 廣明 秀一[ひろあき ひでかず]

http://presat-vector.org/hiroaki-lab/

シーズの概要

(目的)
 タイトジャンクション(TJ)は上皮細胞や内皮細胞の頂端部を接着させている細胞接着装置である。我々は、TJにおいて接着を担っているクローディンのカルボキシ末端に相互作用する足場タンパク質に注目した。これらの足場タンパク質はTJの形成と消失に関与しているため、クローディンとの相互作用を低分子化合物により阻害すれば、TJを制御できると考えられる。
(概要)
 足場タンパク質のうち、TJに含まれているクローディンのエンドサイトーシスを促進するLNX1をターゲットとした。そして、このLNX1に結合し、クローディンとの相互作用を阻害しうる低分子化合物をインシリコスクリーニングにより探索した。候補化合物のLNX1への結合をNMR法により確認した。さらに、培養上皮細胞をこれらの化合物に曝露したところ、TJに局在するクローディン量が有意に増加したため、TJを制御(強化)しうる化合物であることが分かった。

産学連携を目指した応用研究

(製品化のイメージ)
●皮膚の保湿
●炎症性腸疾患等の症状緩和
●医薬品アッセイ用モデル上皮細胞の作製の加速
(地域経済への波及効果)
 名古屋大学創薬科学科は、東海地域の創薬産業、バイオ産業の核となり、この地域の関連産業を振興することが、その研究科設立のミッションの一つである。創薬プロセスにおける基盤的要素技術の一つである、「医薬品の腸管透過性試験法」の新技術を確立し、地域に創薬拠点を構築することで貢献したい。
(実用化への見通し)
現在、化合物をA社(大手製薬会社)に導出し、試薬として評価依頼中

一言アピール

画期的なメカニズムで作用する薬です

キーワード

タイトジャンクション、細胞生物学、細胞間接着装置、医薬品透過性、バリア機能

保有技術

  • インシリコスクリーニング技術、NMRによるタンパク質解析技術、細胞アッセイ技術

主な機器

  • LINUXワークステーション、NMR装置、蛍光顕微鏡

主な特許

  • PCT/JP2015/070767 「タイトジャンクション形成制御剤及び該制御剤を含む医薬組成物」

主な論文

  • Fujiwara Y, Goda N, Tamashiro T, Narita H, Satomura K, Tenno T, Nakagawa A, Oda M, Suzuki M, Sakisaka T, Takai Y, Hiroaki H.*, 2015, Crystal structure of afadin PDZ domain–nectin-3 complex shows the structural plasticity of the extended ligand-binding site. Protein Sci., 2015, 24(3):376-385 DOI: 10.1002/pro.2628
  • Tenno, T., Goda, N., Umetsu, Y., Furuse, M., Ota, M., Kinoshita, K., and Hiroaki, H*. 2013. Accidental interaction between PDZ domains and diclofenac revealed by NMR-guided virtual screening. Molecules, 18:9567-9581. doi:10.3390/molecules18089567
  • Umetsu, Y., Taniguchi, R., Satomura, R., Goda, N., Ikegami, T., Furuse, M., and Hiroaki, H*. 2011. 1H, 13C, and 15N resonance assignment of the first PDZ domain of mouse ZO-1. Biomol. NMR Assign 5 (2): 207-210.