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微生物/光合成生物における分子動態の可視化

  • 情報学研究科
  • 複雑系科学専攻
  • 生命情報論講座
  • (青木研究室)

准教授 青木 摂之[あおき せつゆき]

https://inforhythmlab.jimdo.com

シーズの概要

私の研究室では、微生物を中心とする様々な生物が示す生物リズムやストレス応答などの現象に焦点を当て、生き物がどのような仕組みで環境の変化に適応し、上手く生き抜いているのかを研究しています。このような研究の実施に欠かせないのが遺伝子発現や代謝産物などの生命分子の動態を実時間測定する技術です。そうした技術を組込んだ市販の測定システムもありますが、光や温度などの測定時の環境条件を柔軟に制御しづらい製品や、比較的大型で高価な製品が多く、多様な実験条件を並列的に設定して測定できる製品が意外に少ないのが現状でした。そこで、環境条件や測定条件を容易にかつ柔軟に設定できる多様な測定システムを自作し、上記の研究を効果的に進展させようと努力しています。

この研究の新規性・独創性

ホタルルシフェラーゼ遺伝子を導入した大腸菌株からの発光の動態を、以前開発した小型の生物発光測定装置を用いて調べた結果、定常期の開始と同時に、急激な発光レベルの上昇(=発光バースト)がみられた。この時、細胞内のルシフェラーゼタンパク質量が同期した上昇を示さなかったことから、この発光バースト現象は、上流につないだプロモーター活性の影響ではなく、定常期の開始に伴い変動する何らかの生体分子の影響を反映したものなのだろうと考えられた。今後、多様な液体培養条件下で、生物発光や蛍光の動態を測定するためのシステムを作製・活用し、この発光バーストが生じる仕組みを調べる予定である。このように、生物現象の仕組みを解析するための多様な測定装置を、実験の目的に細やかに合わせて積極的に開発する方針で研究を進めている。

産学連携を目指した応用研究

生物発光タンパク質や蛍光タンパク質など、効果的な可視化ツールを利用した遺伝子発現や代謝状態の動態の測定技術について、多様な培養・環境条件で、また種々の実験生物で解析を進めることの出来る取り回しの良いシステムの開発、またはそうしたシステムを活用した研究を進めて行きたいと考えている。

一言アピール

既存の技術のみに頼ること無く、研究の現場の必要性に合わせて様々な技術を柔軟に利用し、研究を進めていきたいと思います。

キーワード

生物発光レポーター、蛍光レポーター、生体分子の動態、遺伝子発現制御、環境適応

保有技術

  • 形質転換生物からの様々な条件での発光/蛍光動態の実時間測定技術

主な機器

  • 静置型実時間生物発光測定装置、液体培養型実時間生物発光測定装置

主な論文

  • "Diversity of plant circadian clocks: insights from studies of Chlamydomonas reinhardtii and Physcomitrella patens" Masashi Ryo, Takuya Matsuo, Takafumi Yamashino, Mizuho Ichinose, Mamoru Sugita and Setsuyuki Aoki. Plant Signaling & Behavior. (2016) 11(1):E1116661.
  • "Posttranslationally caused bioluminescence burst of the Escherichia coli luciferase reporter strain" Yamato ideguchia, Yuta Oshikoshia, Masashi Ryo, Shogo Motoki, Takashi Kuwano, Takafumi Tezuka and Setsuyuki Aoki. Archives of Microbiology. (2016) 198(1):35-41.