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ハイライト論文

世界初、純カーボンナノチューブ製の集積回路

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  • 2013/08/30

名古屋大学の大野雄高准教授を中心とした研究グループ1は、カーボンナノチューブ(CNT)のみでトランジスタや配線を構成し、伸縮性に優れた "全カーボン集積回路"を世界で初めて実現しました。この研究成果は86日付でNature Communicationsオンライン版に掲載されました。

柔軟で伸縮性を持つ電子デバイスを作るためには、部材となる半導体、電極・配線、絶縁膜にも伸縮性を持たせることが不可欠です。しかし従来それらに用いられている金属膜や酸化膜などの無機材料は伸縮性を持たず、弾力性のあるデバイスを作ることは難しいと考えられてきました。

大野准教授はこれまでの研究で透明なプラスチック上に高性能なカーボンナノチューブ薄膜トランジスタやそれを用いた集積回路の作成に世界で初めて成功するなどの成果を上げてきました。今回、これまで伸縮性のない金属膜で形成された電極・配線材料にCNT薄膜を用い、絶縁膜材料にアクリル樹脂を用いることで、きわめて柔軟で透明な全カーボン集積回路を作り上げました。また、CNT成膜技術を最適化することで、薄膜トランジスタに1000 cm2/Vsを超える高い移動度を付与することに成功しました。高い移動度はより低電圧で高速に回路が動作することを可能にします。さらに、研究グループは加熱成形により、回路を自由自在に立体的な形状に作ることが可能であることを示しました。今後は、例えば、スマートフォンや3Dディスプレイなどの様々な機器に応用されることで、それらの機能性・デザイン性を広げることが期待されています。

1. 日本学術振興会科学研究費補助金、科学技術振興機構先端的低炭素化技術開発、フィンランド・アールト大学MIDEの助成を受け実施。

大野雄高准教授

大野雄高准教授は、すでに究極といえるレベルまで発展した従来型エレクトロニクスの単なる延長線ではなく、カーボンナノチューブに代表されるナノ構造材料で発現する新しい物理現象(つまり新機能)を起爆剤として、日本の産業の原動力となる新規エレクトロニクスの創出を目指して研究に取り組んでいます。

今後の展望

新規デバイスの開発のみならず、人体や脳・意識とデバイスとのかかわり合いについても研究し、例えば、人体との親和性をもって身につけられたり、環境に溶け込んで存在を感じさせない新しいエレクトロニクスを実現してゆきたいと思います。

これから研究をする人へ

大学における工学研究の醍醐味は、他の誰も思いつかない新しい技術や、自分にしかできない物を創り出すことです。万物は自然の法則に則りますが、それをどのように役に立つ形にするかは、アイデア勝負です。ものごとを多方面から見る目を養い、アイデアを広げてみましょう。



参考

研究成果情報
大野雄高准教授情報

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