数理ウェーブ 2011年度

4月23日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

※このイベントは終了しました。

①14:00-15:00「円と仲間たち」 講師:足立真訓(名大多元数理・院生)

円はもっとも基本的な図形のひとつで、紀元前から現代まで研究され続けています。通常は円を「ある点から等しい距離にある平面上の点の集まり」と定義します。しかし、円の性質をよく考えていくと、別の特徴づけもできることに気付かされます。そのような探求を通して見つかる円の仲間たちをご紹介します。

②15:10~16:10「循環小数」 講師:大沢健夫(名古屋大学多元数理・教授)

「数と図形」(ラーデマッヘル・テプリッツ)の第19章にそって、循環小数の周期の長さや周期がどこから始まるかについて学び、それを発展させた問題(2002年度の数学コンクール)について考えてみます。

5月28日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

※このイベントは終了しました。

①14:00-15:00 [正多面体の体積を計算してみよう」 講師:橋本英哉(名城大理工学部:教授)

3次元空間の正多面体は5種類しか存在しないことが知られています。この中で正6面体は簡単に計算できますがその他の正多面体の体積を求めた事はあるでしょうか。今回は特に正12面体の体積を計算する方法について考えてみたいと思います。

②15:10~16:10 「因数分解」 講師:大沢健夫(名古屋大学多元数理・教授)

因数分解には、6=2×3のような「整数の素因数分解」や、のような「多項式の因数分解」の他にも、広い意味ではなどいろいろな形があります。このような「一般的な因数分解」ついて、「数と図形」の第11章「整数を素因数に分ける方法はただ一通りか」にそってお話します。

6月25日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

※このイベントは終了しました。

①14:00-15:00 「結び目は4色では塗れない?!」 講師:長郷文和(名城大学理工学部・准教授)

4色と聞いて「4色問題」を連想する方もいらっしゃると思いますが,今回の内容は,全く別物です.と言っても,色を塗るという点では同じです.この講演では,結び目(の絵)の中に現れる孤(arc)ごとに色を塗ることを考えます.特に,4色で色を塗りましょう.ただし,どの様に塗ってもよいというのでは,数学の出番がなくなってしまいますので,もちろん,ある法則に従って塗っていきます.その時,結び目は4色で塗れるのでしょうか,塗れないのでしょうか?この視点から,ある結び目を具体的に塗っていくことで,色塗りのメカニズムを探りす

②15:10-16:10 「よい近似とは?」 講師:大沢健夫(名古屋大学多元数理・教授)

分数を小数で近似しようとすると循環小数というものに出会います。逆に、小数を分数で近似しようとするとどうなるでしょう。「数と図形」の第15章や拙著「寄り道の多い数学」の第3章にそって、無理数を有理数で近似する話を紹介します。関数を有理関数で近似する話もできればよいですが、多分時間が足りないでしょう。

10月29日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

※このイベントは終了しました。

①14:00-14:30「数学コンクール論文賞受賞者による研究発表」 中西有馬(東海高校・2年)3種理の面

②14:45-15:45「星型正多面体の話」 講師:伊師英之(名古屋大学多元数理・准教授)

「いわゆる星型(五芒星)は、たまたま辺が交わっているものの、5つの頂角と5本の辺がそれぞれ等しいので正多角形とみなせる。>これはしばしば正5/2角形とよばれ、他にも正p/q角形が同様に定義される。それでは正多角形の立体版である正多面体に対しても、類似のものが考えられないだろうか。その解答として、全ての星型正多面体を紹介する。

11月26日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

※このイベントは終了しました。

①14:00-15:00「ガウスの円分論について」 講師:横山治夫(熱田高校教諭)

ガウスは、xp-1=0(pは素数)の代数的解法を、彼の著書「数論研究」の最終章"円分論"で論じた。その中には、今日のガロア理論の原型がみてとれる。一番簡単な「相反方程式」から始めて、簡単な例でガウスのアイデアを説明する。そして、ガウスが数学を専攻するきっかけとなった正17角形の作図に必要なx17-1=0の代数的解法にふれる。

②15:15-16:00「ブロウアップとブロウダウン」 講師:大沢健夫(名古屋大学多元数理・教授)

400年ほど前、円や直線を方程式で表すことにより、幾何学の問題を代数学の問題に置き換えて解けるようになりました(デカルトの座標幾何)。方程式で表せる図形は円や直線の他にもいろいろあり、それらの交点の数を正しく数える方法についてはやっと20世紀に入ってから一般的な理論ができました。その理論は広中の特異点解消定理によってさらに明快になりました。広中理論では、方程式がなるべく簡単な形になるように座標を取り替える操作が重要です。そのうちで代表的なブロウアップとブロウダウンの一端にふれます。

12月24日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

※このイベントは終了しました。

①14:00-15:00すごい約分   講師:鈴木紀明(名城大学理工学部・教授)

大学の講義時間は90分と長いので,私はリフレッシュの意味で,途中で「数学のジョーク」を言うことにしています.この中のひとつを発展させて今年度の数学コンクールの問題にしました。高校生や中学生のみなさんの解答のおかげで,このジョークがひとつの理論になりました。

②15:10-16:10「折りたたみ」からみえてくるスウガク 講師:木地茂典(和歌山県立伊都高校・教諭)

ひとつのねじり実験から思わぬ展開図を示すことができる。そして何段重ねていってもたためることも見えてくる。こんな活動のなかからおもしろいスウガクが見えてきます。

平成24年1月28日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

※このイベントは終了しました。

①14:00-15:00ブラック-ショールズの公式とオプション価格付けの原理  花園 誠 (名古屋大学経済学部・准教授)

オプションなどのデリバティブ(金融派生商品)の価格は、有名なブラック-ショールズの公式に見られるように一見複雑な形をしています。しかし、その価格付けの原理は「裁定なし条件」という、経済学での「一物一価の法則」というアタリマエの事実に基づいたもので、その本質は単純です。この講演ではデリバティブの意義や簡易版のオプション価格付けとその原理についてお話し、証券およびデリバティブの価格決定について考察します。

②15:10-16:10淘汰ゲームの方程式について  大沢 健夫 (名古屋大学多元数理・教授)

経済学における市場の均衡と生物学における適者選択は、数学的にはゲーム理論として同じ形式で説明可能のようです。囚人のジレンマから出発し、ゲーム理論の可能性に的を絞りながら、J.ナッシュの均衡やG.プライスの共分散について述べてみたいと思います。

平成24年3月24日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

※このイベントは終了しました。

①14:00-15:00「無限大の無限性」 大沢 健夫 (名古屋大学多元数理科学研究科・教授)

日常的には、非常に大きな数のことをいうのに「天文学的数字」という言葉を使ったりしますが、「無限大」はそれらとは違った非日常的な数学的存在です。無限大足す無限大は無限大ですが、2の無限大乗はさらに「大きい」無限大であるという話をします。簡単なロジックですが、深いものを含んでいます。

②15:10-16:10「確率 0の現象」伊師 英之 (名古屋大学多元数理科学研究科・准教授)

絶対に起こり得ないことが起こる確率はゼロである。しかし、理論的には、確率ゼロだからといって絶対に起こり得ないとは限らない。確率を面積ととらえることによって、この微妙な事柄を説明したい。