数理ウェーブ 2015年度

3月26日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

イベント詳細

日時 平成28年3月26日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

14:00~15:00 講演1

講演者:久本 智之 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 助教

テーマ:『二次曲線から楕円曲線まで』

数学の歴史上、二次曲線ほど長いあいだ調べられてきた図形はありません。古代 ギリシャ人は既に、円錐の切り口に現れる図形として統一的にこれらの 曲線を捉えていました。この講演では二次曲線の歴史について振り返り、そこから近代の数学がどのように生まれていったのか、少しお話できればと思います。

15:10~16:10 講演2

講演者:大沢 健夫 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 教授

テーマ:『補助線と複素数』

図形の問題を解く時、うまい補助線を引いて合同な図形や相似形を見つけるということをします。線を引くことによって見えなかったものが見えるようになります。見えるものは平面図形ですが、それを立体の影と認識できる場合もあり、それが問題を解く鍵になることもあります。この種の幾何学を射影幾何といいます。射影幾何ではポンスレ(1788-1867)の閉形定理が有名ですが、この定理の証明は補助線を引くだけでは見えません。それは点や線の位置関係を高次元の空間内で記述する必要があるからです。そのために役立つのが複素数です。

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名古屋大学研究協力部社会連携課 052-747-6484

1月23日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

イベント詳細

日時 平成28年1月23日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

14:00~15:00 講演1

講演者:山盛 厚伺 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 教務助教

テーマ:『ベルトラン・チェビシェフの定理とその証明』

数学では既知の定理でも別証明を与えることは、証明の簡略化や一般化につながる
ため、重要です。
本講演では、エルデシュが高校生のときに発見したベルトラン・チェビシェフの定理
「nと2nの間に必ず素数がある」の初等的な別証明についてお話します。

15:10~16:10 講演2

講演者:伊師 英之 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 准教授

テーマ:『自然対数はなぜ自然か』

自然対数の底 e=2.718・・・は円周率 π=3.141・・・と並んで、数学において最も重要な
定数です。しかし、高校や大学で習うeの定義はあまり自然な感じがしません。
本講演では、小学生にも理解可能な、本来の自然対数の話をします。

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11月28日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

イベント詳細

日時 平成27年11月28日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

①14:00~14:20

第16回日本数学コンクール・日本ジュニア数学コンクール論文賞の講評

講演者:伊師 英之 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 准教授

②14:30~15:20

論文賞金賞論文の発表

『魔方陣と計算複雑性理論』

受賞者:星野 創(愛知県立明和高等学校3年)

代読:伊師 英之

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10月24日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

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日時 平成27年10月24日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟109号室 ※今回は場所がいつもと異なります。

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

14:00~15:00 講演1

講演者: 伊師 英之 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 准教授

テーマ:『あなたが三角関数を学ぶ意味』

高等教育の無駄の代名詞としてあげつらわれることの多い三角関数でありますが、 それが現代社会を支える基本的なテクノロジーであることを強調しても、無用論への 反駁にはならないのかもしれません。私が本講演でできることは、三角法の歴史と 現代数学における三角関数の位置づけを概説し、その文化的な重要性を訴えることだけです。

15:10~16:10 講演2

講演者: 岡﨑 建太 京都大学数理解析研究所 研究員

テーマ:『イヤホンの絡まり』

『イヤホンの絡まり』と題した問題が2015年度日本数学コンクールに出題されました。 イヤホンという身近な題材を通じてトポロジーや結び目理論の考え方を体験してほしい、 という意図で作題しましたが、多くの参加者に一生懸命取り組んでもらえたことを非常に 嬉しく思っています。 今回はたくさんの解答の中から興味深いものを紹介しつつ、イヤホンが絡まっているとは どういうことかを数学的に表現する方法についてのアイデアをお話しします。

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名古屋大学研究協力部社会連携課 052-747-6484

6月27日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

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日時 平成27年6月27日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 理学部A館207 ※今回は場所がいつもと異なります。

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

14:00~15:00 講演1

講演者:石川 勝巳   京都大学数理解析研究所 修士2年

テーマ:数え切れないものと数えられないもの

「数え切れないほどたくさん」とか「数えられないほどたくさん」といった言葉は日常的にも使われる「無限」を表す言葉ですが、この2つを数学的に違うものと考えることで面白いことがわかることがあります。この講演では無限を区別するこれらの概念を、具体例とともに紹介したいと思います。

15:10~16:10 講演2

講演者:田地 宏一  名古屋大学大学院工学研究科 准教授

テーマ:グラフ理論で考える 日本数学コンクールの問題から

グラフ理論における「グラフ」とは、いくつかの丸(節点,頂点などと呼ばれる)とそれらを結ぶ線または矢印(辺とよばれる)からなる図のことであり、道路網、選好関係、同値関係など、さまざまな相互関係を表現するのに便利なものです。この講演では、グラフの基本的な事柄について説明したあと、最近の数学コンクールの問題からグラフでの表現が有効に働いたものをいくつか解説します。

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5月23日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

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日時 平成27年5月23日(土) 13:30開場
場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

14:00~15:00 講演1

テーマ:巨大数論の世界  
仏教の経典の「不可説不可説転」、落語の「五劫の擦り切れ」など、途方もなく大きな数や長い時間を人々は昔から想像してきました。数学の力を借りると、このような数を軽く凌駕するような巨大な数を構成することができます。とにかく純粋に大きな数を作ろう、という動機から生まれたのが「巨大数論」です。数学を使わなければ決して想像できないような巨大数論の世界を、時間の許す限り紹介いたします。

キーワード:タワー表記、グラハム数、コンウェイのチェーン表記、多変数アッカーマン関数、計算可能関数、ビジービーバー関数 など

15:10~16:10 講演2

講演者:伊師 英之  名古屋大学多元数理科学研究科 准教授
テーマ:対称性と群

数学および自然科学・社会科学に現れる様々な対称性を捉える強力な道具として、群というものがあります。この講演では、簡単な図形の対称性を例にして群論のさわりを説明した後、有限単純群の分類という、現代数学において(色々な意味で)最も巨大な成果の一つについて紹介したいと思います。

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名古屋大学研究協力部社会連携課 052-747-6484

4月25日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

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日時 平成27年4月25日(土) 13:30開場 場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

14:00~15:00 講演1

講演者:井澤 昇平   東北大学大学院理学研究科 修了
テーマ:演算の集合と関係の集合 

純粋に数学的な興味から現れるもの、自然現象や社会現象を表現するためのもの・・・様々な数学的構造があります。 これらの構造の多くは、台集合と呼ばれる集合に、関連する適当な写像や集合の情報を付け加えることで表現されます。 演算や関係(台集合の元の対の集合)は、付加する情報としては比較的単純なものです。しかし、演算や関係によって表現される構造がどれくらいあるのかは未だによく分かっていません。 その一方で、演算で表現できるある種の構造と、関係で表現できるある種の構造との間には、一対一の対応がつくという現象が多く知られています。そのような一例をご紹介しようと思います。

15:10~16:10 講演2

講演者:大沢 健夫  名古屋大学多元数理科学研究科 教授
テーマ:数学は言葉か  

「宇宙という書物は数学の言葉で書かれている」という名文句で知られるように、科学者にとって数学は必要不可欠な言語です。その一方で、数学は言葉以上の何かであるという考えもあります。大数学者小平邦彦(1915-97)は、数学の研究は「数覚」という感覚で「数学的実在」をとらえることによって成り立っているという考えを持っていました。生誕百年にちなみ、数学とは何かについて小平先生の言葉を引きながら語ってみたいと思います。

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名古屋大学研究協力部社会連携課 052-789-5969