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イベントレポート: 第33回名大カフェ「植物の巧みな環境応答~スーパー植物の可能性~」

  • 2013/05/27

SMBSパーク栄のギャラリーで行われた今回の名大カフェ。幅広い年代から、たくさんの来場者が訪れました。

2013年5月15日、名古屋市栄SMBCパーク栄にて、第33回名大カフェ「植物の巧みな環境応答~スーパー植物の可能性~」が開催されました。今回のスピーカーは、名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)の木下俊則教授です。名大カフェとは市民と研究者がドリンクを片手に科学について気軽に話し合い、その楽しさを実感してもらうイベントです。今回のイベントでは、小学生から年配の方まで幅広い年代から参加者が集まり、植物の巧みな生き方についてフランクに語り合いました。

今回のテーマは、植物が環境変化にいかに対応するかであり、気孔の働きを中心にトークが進められました。木下教授は植物の環境応答、特に光応答について、気孔の働きと開口反応について、またスーパー植物の作出の可能性について、研究の苦労話を交えながらお話しされました。

来場者からは自由に質問が飛び交いました。これが名大カフェの醍醐味です。

植物は光合成を行い、独自に栄養を作って成長します。光合成には光、二酸化炭素、水が必要であり、それらの要素を常時十分に得ることが生き残るために必要です。気孔は二酸化炭素の取り込みや蒸散を行う器官であり、気孔を大きく開くことでより多くの二酸化炭素を取り込むことができるため、この開閉が光合成のカギを握っています。木下教授は気孔の開閉のメカニズムを研究し、さらにそれを制御して植物機能を高める応用研究も行っています。これが表題の「スーパー植物」であり、今後の展開が非常に期待されている研究です。

現時点で、木下教授は遺伝子組換えによって気孔を大きく開かせることでおよそ1.5倍の生重量の植物を作ることに成功しています。今後は遺伝子組換えに頼らず、気孔を大きく開かせる作用をもつ植物ホルモンを新たに作り出して同様の制御をおこない、農作物にも応用することを目指しています。今後もトランスフォーマティブ生命分子研究所で研究を続け、将来の食物増産や二酸化炭素削減、またバイオマス問題の解決に貢献することが期待されています。

最先端の研究を紹介され、来場者の中には熱心にメモをとる姿が多く見られました。トーク終了後は木下教授や、同席した大学院生の富山さん、奥野さんに質問を活発にされるなど、来場者の皆さんから研究への関心の高さが伝わってきました。

また、実際に研究室で使われている光学顕微鏡と赤外線サーモグラフィを用いて、来場者が植物を観察する企画も好評でした。主催者と来場者が共にサイエンスを楽しみ、第33回名大カフェは幕を下ろしました。

名大カフェは一般の方と名古屋大学の研究者が交流する場として毎月開催されるイベントです。社会人の方の参加が多い中、研究者を目指す高校生が第一線の研究者に質問をぶつける場面もありました。理科部に所属し、農学分野で遺伝の研究をしたいという高校1年生は、研究について木下教授からアドバイスを受けていました。こういったイベントが、未来の研究者を育てるきっかけとなればいいですね。

次回の名大カフェは6月3日(月)にFleuve cafe フル―ヴカフェにて開催されます。スピーカーは名古屋大学大学院環境学研究科山口靖教授です。詳細はこちらをご覧ください。

参考

木下教授のページ

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