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イネ、農学、そしてアジア

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  • 2017/09/29

国際機構

辻篤子特任教授(「名大ウォッチ」より転載)

 アジア諸国の将来を担う人材に、仕事をしながら博士の学位を取ってもらう。そんな狙いで設立された名大アジアサテライトキャンパス学院の「国家中枢人材養成プログラム」から9月末、初の博士が3人誕生した。仕事を終えた平日の夜や週末を研究に当て、「とにかく大変だった」と口をそろえるが、テレビ会議な  どを通じた手厚い指導もあって3年で博士論文をまとめ上げた。
 学位を得たのは、法学ではモンゴルのウランバートル市控訴行政裁判所判事で大学でも教鞭をとるツェンド・ツォグトさんとベトナム計画投資省法律顧問のグエン・ホアイ・ソンさん、そして農学ではカンボジア農林水産省のニン・チャイさんの3人だ。いずれも修士号を持ち、さらに学びたいという希望はあったが、長期間職場を離れるのは難しい。仕事をしながら自分のテーマで研究をし、学位を得られるこのプログラムはありがたかったという。現地のサテライトキャンパスと名大をつないで日常的に指導を受けたほか、名大での集中講義や現地に派遣された教員による支援も得た。言語はすべて英語だ。
 3人の博士たちは、日々の仕事の中で研究成果をすでに生かしているという。リーダー養成を狙った新しいプログラムが、小さいけれど、将来に向けて大きい一歩を踏み出した。


博士号を取得したカンボジアのニン・チャイさん(右)と指導に当たった川北一人教授


 こうしたアジアでのプログラムが現地での人材養成に資するのはもちろんだが、生命農学研究科にとっても大きな意味がある、というのは川北一人研究科長だ。農業は地域に根ざし、地域ごとに特徴があるのと同時に、鳥インフルエンザなど人獣共通感染症や病虫害、温暖化への対応など国境を超える共通の課題も少なくない。農学は必然的に地域性と国際性を合わせ持つ。さまざまな形でのアジアでの活動がこれからの農学の発展には欠かせないからだ。
 例えば、カンボジアは鳥インフルエンザの発生がゼロの非感染地域とされているが、調べる専門家がいないというのが実情だ。「研究のタネがたくさん埋もれているはずで、それを現地の研究者と共に科学論文にして公にしていくことは双方にとって意味がある」と川北さんは話す。>>「名大ウォッチ」で続きを読む。


辻篤子(つじ あつこ):1976年東京大学教養学部教養学科科学史科学哲学分科卒業。79年朝日新聞社入社、科学部、アエラ発行室、アメリカ総局などで科学を中心とした報道に携わり、2004〜13年、論説委員として科学技術や医療分野の社説を担当。11〜12年には書評委員も務めた。2016年10月から名古屋大学国際機構特任教授。

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