重力波のヒーローがやって来た

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  • 2018/01/17

国際機構

辻篤子特任教授(「名大ウォッチ」より転載)

 昨年秋、重力波を初めて観測した米国の研究者たちがノーベル物理学賞を受賞したというニュースは国内でも大きな話題になった。その米国チームから功労者として讃えられたのが東大宇宙線研究所の川村静児教授だ。岐阜県の神岡鉱山の地下で建設中の大型低温重力波観測装置「KAGRA(かぐら)」の主要メンバーでもある。KAGRAは初観測では米国に先を越されたものの、来年には観測を始め、これから本格化する重力波天文学の第一線に躍り出ようとしている。
 KAGRAでインタビューを受けていた姿の記憶も新しい川村さんが昨年12月半ば、KAGRAを離れ、名大理学部教授として着任した。
 そう聞いて、驚いた。いったいなぜ名古屋へ?


研究室の川村静児教授


「宇宙誕生の瞬間を見たいんです」

まだ封をしたままの段ボール箱が積まれた研究室を訪ねると、開口一番、こういう答えが返ってきた。「それが名古屋でできるんですか?」。思わず問い返すと、即座に、「できますね。そのために名古屋に来ました」。>>「名大ウォッチ」で続きを読む。


辻篤子(つじ あつこ):1976年東京大学教養学部教養学科科学史科学哲学分科卒業。79年朝日新聞社入社、科学部、アエラ発行室、アメリカ総局などで科学を中心とした報道に携わり、2004〜13年、論説委員として科学技術や医療分野の社説を担当。11〜12年には書評委員も務めた。2016年10月から名古屋大学国際機構特任教授。

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