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ハイライト論文

ものづくりで世界を変える: 世界最高の空間分解能を誇る分子イメージング機器の開発

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  • 2013/11/27

名古屋大学大学院医学系研究科山本誠一教授を中心とした研究グループは、世界最高の空間分解能を有する小動物用陽電子放射型断層画像撮像装置(PET)の開発に成功しました(2013年10月現在)。この研究成果はPhysics in Medicine and Biologyに掲載されました。

PETとは、生体中分子の分布などを測定するための撮像装置であり、分子イメージング研究における中核機器として注目されてきました。対象とする生体内に目印となる放射性物質を投与し、それが放出する陽電子が体内の電子と結合した時に放出される放射線をコンピューター処理することで、生体分子の分布や濃度を測定することができます。これまで開発されてきたPETの空間分解能は技術的な問題から1.5mm程度でしたが(空間分解能1.5mm:1.5mmの細かさまで対象を映し出すことができる)、これはマウスなどの小動物の撮像を精度よく行うには不十分です。そのため1mm以下の精度で撮像できる装置の開発が待ち望まれていました。

開発した超高分解能装置の検出器リング

山本教授は2012年に当時世界最高の空間分解能1.2mmを持つ高分解能小動物用PET/MRI一体型撮像装置の開発に成功するなど、分子イメージング機器開発を世界的にリードしてきました。今回山本教授は0.5mmのシンチレータ(放射線を検出し、光を発する材料)、独自のライトガイド(シンチレータから出た光の通り道を変える材料)、新型光センサ「Si-PMアレー」を用いて高い空間分解能を実現できる放射線検出器を開発し、この検出器8個をリング状に配置することで小動物用PET装置を作りました。この装置は0.7mmの空間分解能を実現し、2013年10月時点で世界一の空間分解能を誇ります。今後は今回開発された小動物用PET装置をPET/MRI一体型装置にも応用し、分子イメージング研究分野における創薬研究などに貢献していくことが期待されています。

山本誠一教授

山本誠一教授は研究で開発した装置を応用して社会に大きなインパクトを与えることを志し、大学での研究の道を選びました。大学でのものづくりを楽しみながら、将来の医療を支える分子イメージング装置の開発に取り組んでいます。PET装置のみならず,光ファイバーPET/MRI一体型撮像装置やSi-PMを用いたPET/MRI装置を開発する,世界でもおそらく唯一の研究者であり、分子イメージング機器の更なる展開を推進しています。

今後の展望

今まで存在しなかった分子イメージング機器や医療機器を実現することを目標に、日々研究しています。現在は小動物用の機器を開発していますが、今後は臨床用装置にも展開していきたいと思っています。

これから研究を始める人へ

新しい装置を考案して形あるものとして作り上げ,想定した結果が得られたときには、大きな充実感を得ることができます。また、研究を通して海外に多くの友人ができたり、海外の文化を感じたりすることも喜びです。






参考

研究成果情報
山本誠一教授情報

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