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ハイライト論文

カーボンナノチューブの精密合成に成功

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  • 2013/06/21

名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)の伊丹健一郎教授を中心とした研究チームは、有機化学的手法と物理化学的手法を融合し、カーボンナノリングをテンプレートに用いてカーボンナノチューブ(CNT)を精密合成することに世界で初めて成功しました。この研究成果は5月26日付でNature Chemistryオンライン版に掲載されました。

CNTは炭素原子だけでできた、太さ数ナノメートル、長さ数マイクロメートルの筒状の物質です。鉄の20倍の強度を持ち、熱や電気を通しやすく、非常に軽い性質を持つことから、次世代材料として最も期待されている物質の一つです。これまでCNTは物理化学的な手法で作られてきましたが、直径・構造を正確に作り分けることはできませんでした。

伊丹教授は2010年にカーボンナノリング(CNTの最短構造)の直径を自在に変えられる技術を世界で初めて開発しました。今回、伊丹教授は化学合成したカーボンナノリングをサファイア基板上に塗布し、エタノールと共に500で加熱するだけでカーボンナノチューブを作るという、極めてシンプルな手法を編み出しました。この手法を用いることで、既に10種類以上のカーボンナノリングの合成に成功しています。今回の研究成果により、テンプレートに用いるカーボンナノリングの大きさを選ぶだけでリングの直径に対応したCNTを作り分けることができるようになりました。これはCNTを高機能電子材料へ応用するための必須条件であり、今回の研究はCNTの応用に大きな前進をもたらしました。

伊丹健一郎教授

伊丹健一郎教授は新しい有用な物質を生み出すことを志して研究を始めました。いずれは「イタミン」という名の新物質を作り出し、人々の生活に役立てることを目指しています。現在、世界トップレベル研究拠点プログラムの一つであるトランスフォーマティブ生命分子研究所(ITbM)の拠点長を務め、合成化学と生命科学の融合を通して世界を分子で変えていく研究をされています。

今後の展望を一言

今後はさらに研究を進め、完全に均一なカーボンナノチューブの合成を目指します。

これから研究をする人へ一言

研究とは誰も足を踏み入れたことのない道を自らの力で切り拓くことです。高校や大学の授業では教科書に書いてあることを主に学びますが、研究とは新しい教科書をつくるようなものです。「世界で初めて」の何かを発見し、自分がかけがえのない存在になる瞬間を何度も味わえます。来れ、科学研究の世界へ!





参考

研究成果情報
伊丹健一郎教授情報

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