数理ウェーブ 2016年度

3月18日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

イベント詳細

日時 平成29年3月18日(土) 13:30開場

※今月は第3土曜日に開催いたします

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

14:00~15:00 講演1

講演者:鈴木咲衣 京都大学白眉センター/数理解析研究所 特定助教

テーマ:『結び目の数学』

ひもを結ぶと結び目ができます。靴ひもの蝶ちょ結び、荷造りのひもの堅結び、ひもで綺麗な模様を形作る装飾品など、結び目は日常生活でもしばしば現れるとても身近な存在です。そんな結び目の研究が近年、数学の一分野として急速に発展しています。「結び目で数学?何をするの?」と思うかもしれません。でも、数学は自由。数や多項式だけではなく、結び目でも数学ができます。この講演では、結び目の数学を基礎からゆっくりお話しします。

15:10~16:10 講演2

講演者:大沢健夫 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 教授

テーマ:『分割と配置の数理』

三角形の面積の公式(底辺x高さ÷2)と角錐の体積の公式(底面積x高さ÷3)を小学校の算数の授業で習いますが、後者が成り立つ理由については微積分の考え方が必要になるとして省略されることが多いようです。19世紀の天才数学者ガウスはこれに疑問を持ち、手紙の中で問題として提起しました。のちにヒルベルトがこれを重要な23の問題の一つに含めましたが、デーン(ヒルベルトの弟子)がすぐに解決しました。二つの等積な多面体が分割合同になるための条件を求め、それにより体積の公式は面積とは同様には導けないことを解明したのです。デーンはのちに組み合わせトポロジーの分野で基本的な定理をいくつも発見しましたが、その考え方はガウスの問題に通じるところがあり、「分割と配置の数学」とでもいうべき明快なものです。この話題について、エピソードなども調べてお話しします。

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名古屋大学研究協力部社会連携課 052-747-6484

1月28日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

イベント詳細

日時 平成29年1月28日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

14:00~15:00 講演1

講演者:鈴木雄太 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 博士後期課程1年

テーマ:『グラフラムゼー理論 〜あなたとあの人を結ぶ糸は赤い糸?青い糸?〜』

「わたしたち2人が出会ったのは運命だったのね♪」

−そんなフレーズをよく聞くかどうかはわかりませんが、 ラムゼー理論というのは極端に言うと「運命についての数学」です。 「赤い糸で結ばれた2人」とかいうフレーズならよく聞くような気がするので、 世の中の人々が必ず赤い糸か青い糸で結ばれているとしましょう。すると、 6人の人が集まれば必ず赤い三角関係か青い三角関係が生じる という定理があります。 そこでこのなんだか昼ドラ的な定理から始めて、 初等的で誰でも触れるけれど未だ発展途上の数学 というものがあるのだということを紹介できたらと思います。

15:10~16:10 講演2

講演者:大沢健夫 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 教授

テーマ:『様々な対称性』

数学では多くの場面で対称性に出会います。視覚的に 把握しやすい図形や数式の対称性から、順序関係のなかに潜む数の世界の対称性まで様々です。一見何の関係もないと思われる図形と式が共通の対称性を持つことから歴史的な難問が解決されたこともあります。「スモール イズ ビューティフル」といういわゆる変分原理で、対称性の高い図形(あるいは空間)が見つかることもあります。このような事情を二三の例で説明してみたいと思います。

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名古屋大学研究協力部社会連携課 052-747-6484

12月24日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

イベント詳細

日時 平成28年12月24日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

14:00~15:00 講演1

講演者:伊師英之 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 准教授

テーマ:『対称式、交代式、その他』

変数の入れ替えについて変わらない式を対称式、符号が変わる式を交代式と呼ぶことはよく知られています。2変数の式は必ず対称式と交代式の和に表せますが、このことは変数が3個以上となると成り立ちません。変数の入れ替えについて対称式や交代式とは別のふるまい方をする式をどう捉えるかという問題設定から、群の表現論の入り口にご案内します。

15:10~16:10 講演2

講演者:横山治夫 大同大学 旭丘高等学校 非常勤講師

テーマ:『ヤング図形の楽しみ方』

ヤング図形とは、正方形の箱を上から順に、下の段は上の段以下の個数で左詰めにです並べた一見単純なものが、数学の色々な部分と深い関わりをもっています。その扱いはどれをとっても簡単ではありませんが、この講演ではそれらの中で、標準盤といわれるものの個数を表すフック長の公式を、確率を使った初等的な方法で求めることを目標にお話します。

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名古屋大学研究協力部社会連携課 052-747-6484

11月26日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

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日時 平成28年11月26日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

14:00~14:20 講演1

講演者:伊師英之 名古屋大学多元数理科学研究科 准教授

『第17回日本数学コンクール・日本ジュニア数学コンクール論文賞の講評』

14:30~15:30 講演2

論文賞金賞論文の発表

講演者(受賞者):竹味和輝 愛知県立明和高等学校2年

テーマ:『覆面魔方陣』

概要:覆面魔方陣とは一般的な魔方陣に覆面算の「文字に対応する数字を特定する」という要素を加えた魔方陣である。そして、覆面魔方陣の文字に対応する数字の特定を「覆面魔方陣を解く」とし、解の一意性や効率的な解法について考えた。また、覆面魔方陣を高次元やn進数の場合まで拡張して考えることにより、覆面魔方陣独自の性質や、一般的な魔方陣とも共通する性質を発見することができた。

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10月22日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

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日時 平成28年10月22日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟109号室※開催場所がいつもと異なります。

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

14:00~15:00 講演1

講演者:澤田友佑 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 博士後期課程1年

テーマ:『面積と確率について~非可換積分論へ~』

長方形の面積は(縦の長さ)×(横の長さ)です。しかし面積や長さとはそもそも何なのかという事は高校まででは習いません。この講演ではそれらがどのように数学的に定義されているのか紹介し、それと大きく関係する確率について話します。さらに非可換な世界における積分論について紹介します。

15:10~16:10 講演2

講演者:伊師英之 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 准教授

テーマ:『アイのアイジョウについて』

べき乗の指数を負数や分数に拡張するときの発想の転換は、それぞれ印象的で大変面白いものです。指数を複素数に拡張するのはそれほど簡単ではありませんが、オイラーの公式が突破口を開いてくれます。そこから広がるのは、一見不思議ですが調和に満ちた世界です。とくにタイトルの「アイのアイジョウ」の計算にはびっくりするかもしれません。

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6月25日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

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日時 平成28年6月25日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

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14:00~15:00 講演1

講演者:佐藤雅大 名古屋大学大学院多元数理科学研究科博士後期課程修了、博士(数理学)

テーマ:『直観主義論理入門~証明と計算の関係について~』

数学者の主な仕事は定理を証明することです。時に証明のテクニックとして背理法というものを用いることがあります。直観主義論理とは「証明時に背理法の使用を認めない」論理体型のことです。一見、そのような論理体型は非常に無茶な束縛に見えますが、背理法を使用しない証明は実は“計算手順”というものに対応するという不思議な事実が知られています(BHK解釈と呼ばれる)。今回の発表では直観主義論理と計算の関連性などを例をいくつか挙げて紹介していきたいと思います。

15:10~16:10 講演2

講演者:伊師英之 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 准教授

テーマ:『キャベツの黄金比~数学コンクールの問題から~』

キャベツの葉の太い芯同士の角度を測ると,常に約137.5度くらいになることが分かります.この角度は360度を黄金比に分けたものにあたり,黄金角と呼ばれています.135度でも138度でもなく,この黄金角137.507・・・度であることが,キャベツが丸く引き締まった形になる秘密なのですが,何故だかわかりますか?2014年に出題されたこの問題の解説を通して,数学コンクールのユニークな魅力を紹介します.

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5月28日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

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日時 平成28年5月28日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

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14:00~15:00 講演1

講演者:一階智弘 名古屋大学大学院多元数理科学研究科博士後期課程

テーマ:『素数を数える~素数定理とその周辺~』

素数とは、2以上の自然数のうち1とその数自身でしか割り切れないもののことをいいます。小さい方から素数を並べていくと、2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19,23, 29, 31, 37, 41, … という数列ができますが、この数列は実に不可解で、紀元前より現代に至るまで多くの数学者たちを惹きつけてきました。今回は素数の「個数を数える」ということに焦点を当て、素数定理と呼ばれる一つの大きな成果を中心に素数の分布について分かっていること、分かっていないことのいくつかをお話しします。

15:10~16:10 講演2

講演者:泉脩藏 元近畿大学理工学部教授

テーマ:『三角不等式の高次元化』

三角形の3辺の長さをa, b, cとするとき、a

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名古屋大学研究協力部社会連携課 052-747-6484

4月23日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

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日時 平成28年4月23日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

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14:00~15:00 講演1

講演者:舘野荘平 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 博士後期課程

テーマ:『ガロア理論と体の広がり』

足し算、引き算、かけ算、わり算の成り立つ世界を体と言います。この講演では体がどのように広がっていくのかをガロア理論や類体論の結果を用いて解説し、またそのようなことを考えることによって何がわかるのかということをギリシアの三大作図問題などを交えて説明します。

15:10~16:10 講演2

講演者:小野廣隆 九州大学大学院経済学研究院 准教授

テーマ:『P≠NP予想の話』

P≠NP予想は、アメリカのクレイ数学研究所がミレニアム懸賞問題の一つとして取り上げたことにより、一般にも良く知られるようになりました。ミレニアム懸賞問題ということで、数学の問題としてとらえられることもありますが、この問題の発見自体は理論計算機科学と計算量理論の発展に伴ってなされたものです。今回のお話では「P≠NP予想」を通して計算量理論の紹介をしたいと思っています。

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