数理ウェーブ 2017年度

3月24日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

イベント詳細

日時 平成30年3月24日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

14:00~15:00 講演1

講演者:松岡勇気 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 博士後期課程

テーマ:『p進数とクンマーの合同式』

ベルヌーイ数と呼ばれる漸化式で定義される数たちがあります。ベルヌーイ数は元々自然数のべき乗の和を計算するために導入されたものですが、これらの間にはクンマーの合同式と呼ばれる不思議な関係が成り立ちます。一方で素数pに対して、p進数と呼ばれる実数とは異なる数の世界が存在しています。今回のお話ではp進数の世界から見たクンマーの合同式の解釈について説明します。またリーマンのゼータ関数との関係についても触れたいと思います。

15:10~16:10 講演2

講演者:伊師英之 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 准教授

テーマ:『マイナス10進法の世界』

日常生活では専ら10進法が使われていますが、12進法や60進法の名残はところどころに見られますし、コンピュータの世界では2進法や16進法が基礎になっています。これらをまとめてN進法の一般論を考えると、Nが負の整数でもうまくいくことが分かります。この講演ではマイナス10進法を考えることによって、正負両方の数が統一して計算できることを実演します。

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名古屋大学研究協力部社会連携課 052-747-6484

1月27日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

イベント詳細

日時 平成30年1月27日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

14:00~15:00 講演1

講演者:奥田真吾 三重県立津・津西高等学校 講師

テーマ:『正三角形の詰め込み』

今年度の日本数学コンクール論文賞では次の問題を出題しました。
「1辺の長さが1である正方形の中に、n個の合同な正三角形を重なり合わないように入れます。そのような正三角形の1辺の長さの最大値を求めてください。」
おそらく完全な解答を得ることは不可能な難問ですが、敢えて挑戦し、現時点での最大値を紹介します。これを切っ掛けにして、この問題を引き継いで考え続けて、最大値を更新したり、nをできる限り大きく拡張して頂きたいと願っています。

15:10~16:10 講演2

講演者:伊師英之 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 准教授

テーマ:『球の充填問題』

与えられた空間にできるだけ沢山ものを詰め込むという問題は、日常生活において重要ですが、数学的には一般に大変難しい問題です。たとえば、六方最密構造および面心立方格子より密度が高い球の詰め込み方は存在しないというケプラーによる1611年の予想は長年の間未解決でしたが、1998年にヘールズによってコンピュータを援用して証明されました。本講演では、このような球の充填問題にまつわる話題を紹介します。

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12月23日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

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日時 平成29年12月23日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

14:00~15:00 講演1

講演者:嵐晃一 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 博士後期課程1年

テーマ:『等周問題と等周不等式』

両端がつながった曲線を閉曲線といいます.長さが一定の閉曲線のうちで囲む面積が最大になるようなものを求めよ,というのが等周問題です.直感的には円が答だろうと予想されます.実際,曲線の囲む面積は曲線の長さの二乗を4πで割ったもの以下であるという 等周不等式が一般に成り立ちます.そして等号が成り立つのは円のときに限ることを示すことによって,予想は真であることがわかります.この講演では以上の議論に沿って,等周不等式を証明し,等周問題を解決します.

15:10~16:10 講演2

講演者:伊師英之 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 准教授

テーマ:『深層学習のしくみ』

Google DeepMind社の囲碁プログラムAlphaGo が世界のトップ棋士に勝利したことに象徴されるように,深層学習(ディープ・ラーニング)という技術が現在急激に発達し,その人間社会への影響も議論されています.この講演では,深層学習とはどういうものか,その数学的なしくみについて最初の一歩を説明します.

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11月25日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

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日時 平成29年11月25日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

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14:00~14:20 講演1

講演者:伊師英之 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 准教授

テーマ:第18回日本数学コンクール・日本ジュニア数学コンクール論文賞講評

14:30~15:30 講演2

講演者:鈴木紀明 名城大学理工学部 教授

テーマ:論文賞金賞論文発表

(受賞者:大阪府立四條畷高校3年 鶴岡祐介「棒引きの作戦」)

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10月28日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

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日時 平成29年10月28日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

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14:00~15:00 講演1

講演者:江澤樹 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 博士後期課程2年

テーマ:『縮小写像の不動点について』

地図を用意してそれを縮小コピーし、元の地図の上に重ねてみます。すると、実は重なっている点が必ず存在します。このように変形や変換で動かない点のことを「不動点」と呼びます。数学にはこの不動点を探したり、性質を調べたりする分野があります。今回はこの入門として上記の地図の縮小コピーによる不動点の存在を数学的に定式化して、証明しようと思います。また、時間が許せばその関連研究または、応用についても触れようと思います。

15:10~16:10 講演2

講演者:伊師英之 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 准教授

テーマ:『反復計算の今昔』

答えが循環小数になるような割り算の筆算のように、同じ計算を反復することによって黄金比や円周率の近似値が計算できること、そして任意に与えられた複雑な方程式の数値解も一般的な手順の繰り返しで求められることが、昔から知られてきました。そしてコンピュータが非常に発達した現在においても、その手法は改良を重ねられ、科学技術の基礎において中心的な役割を果たしています。本講演では、その基本的な原理を紹介します。

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6月24日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

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日時 平成29年6月24日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

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14:00~15:00 講演1

講演者:西田誠幸 拓殖大学工学部情報工学科 教授

テーマ:『あやとりと数学』

あやとりは,丸くむすんだひも指にかけて形を作る遊びです.形を作る途中では指でひもをひっかけたり,ひもを外したりすると,ひもはからまったりほどけたりします.また,両手を広げてひもを引っ張ると,からまったひもの各部が釣り合って,きれいな形になります.このようなあやとりのひもの様子を数学的に捉えるには,というテーマでお話しします.講義ではひもの図やアニメーションをたくさん使って,わかりやすく説明したいと思います.

15:10~16:10 講演2

講演者:伊師英之 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 准教授

テーマ:『四元数と八元数』

数学の長い歴史の中で,自然数,整数,有理数,実数,複素数と数の体系は拡張されてきましたが, 通常の数の法則を成り立たせるような拡張は,これ以上は存在しません.四元数への拡張では乗法の交換法則が,そして八元数への拡張では乗法の結合法則が成り立たなくなります.それゆえに扱いは難しいのですが,四元数は3次元空間での回転を扱うための強力な道具として知られており,八元数は近年,素粒子物理学への応用が注目されています.この講演では,四元数と八元数の歴史と現在を概観します.

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5月27日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

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日時 平成29年5月27日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

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14:00~15:00 講演1

講演者:伊師英之 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 准教授

テーマ:『実演・円周率の計算』

円周率の計算は古今東西の研究者の興味をひきつけてきました。円周率を求める公式も数多く知られており、あるものは形は美しいけれど効率が悪く、あるものは導出には非常に高度な数学が必要だが計算には大変効率が良い、と様々です。この講演では実際に電卓を使って計算することで、これらの公式を比較していきます。

15:10~16:10 講演2

講演者:一階智弘 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 博士後期課程3年

テーマ:『円周率は本当に無理数か?』

無理数とは、「循環しない無限小数で表される数」であると高校の教科書では定義されています。そして、その例の一つとして円周率が挙げられています。円周率πは、π = 3.14159265...という値を持ちますが、未だ円周率の小数表示は完全には解明されていません。果たして、円周率が無理数であることをどのようにすれば証明できるのでしょうか。先人たちのアイデアを紹介します。

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名古屋大学研究協力部社会連携課 052-747-6484

4月22日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

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日時 平成29年4月22日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

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14:00~15:00 講演1

講演者:伊師英之 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 准教授

テーマ:『世界は三角関数で出来ている』

古代ギリシャの天文学では,複雑な惑星の動きを円運動の和として表しました. その精神は形を変えて現代にも受け継がれています.すなわち,任意の周期関数を 三角関数の無限和として表して研究するフーリエ解析は,理論的にも応用的にも極めて重要で,現代科学を 支えています.この講演では,自然科学者としてのフーリエの人物像と,フーリエ解析の 概略をお話しします.

15:10~16:10 講演2

講演者:礒脇勇太 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 D1

テーマ:『1 + 1/4 + 1/9 +1/16+・・』

表題にあるような平方数の逆数の和を求める問題は「バーゼル問題」とよばれ,多くの数学者の 挑戦の後,オイラーによって解決されました.この問題には様々な解法が知られていますが, 本講演では,バーゼル問題をフーリエ解析を使って解く方法を紹介します.時間が許せば 素数との関連についても少しだけ触れたいと思います.

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