一般市民向けに研究アウトリーチを実践します。中日文化センターの名古屋大学協力講座では、1つの大きなテーマについて、3名の若手研究者がリレー形式で講義を行います。若手研究者自らがどのようなテーマで、誰と組んでストーリーを作るのかを企画し、学術研究・産学官連携推進本部ではその相談・支援を行います。
【中日文化センター・名古屋大学協力講座】仏教における人と知のネットワークー昔のお坊さんはどう勉強したのか~経典はどう訳されたのかー(2/2、3/2、3/30)

講座内容
テーマ:「仏教における人と知のネットワークー昔のお坊さんはどう勉強したのか~経典はどう訳されたのかー」
インドで生まれた仏教は、サンスクリット語で記され、中国で漢訳され、日本へと伝わりました。その旅路を支えたのは、文字と格闘し、解釈を重ね、教えを次世代に託していったお坊さんたちの知の営みでした。「人と知のネットワーク」としての仏教をテーマに、それぞれの専門的視点から仏教知識の伝播と展開の姿をひもときます。
カリキュラム

2月2日(月)15:30~17:00
「ヒマラヤを超えるネットワーク——チベット仏教をつくった人たち——」
講師:名古屋大学 大学院人文学研究科 准教授 崔 境眞(ちぇ きょんじん)
チベットにおける仏教文化は、8世紀から13世紀にかけてインド仏教から受けた影響によって形作られました。その約500年間に繰り広げられた伝来と定着の物語は、インドとチベットを往復する「人と知のネットワーク」に他ならないです。今回の講義では、現在まで続くチベット仏教の土台を創り上げたインド・チベット人僧侶たちと、彼らが残した学問仏教の伝統についてお話しします。

3月2日(月)15:30~17:00
「仏教と国語辞書 ― 日本語辞書の始まり ―」
講師:名古屋大学 高等研究院/大学院人文学研究科 YLC特任助教 李 乃琦(り ないき)
日本で最も古い国語辞書はいつ、どのように編まれたのでしょうか。五十音図の由来や、最古のいろは歌が記された文献は何でしょうか。これらの問いの背景には、仏教との深い関わりがあります。現代の国語辞書が生まれる以前、古代の人々がどこで、誰のために、どのような目的で辞書を編纂したのかを、具体例を交えながら解説します。

3月30日(月)15:30~17:00
「日本仏教における「学び」のかたち―お坊さんはどうやって教えを学び、伝えてきたのか―」
講師:名古屋大学 大学院人文学研究科 特任准教授 郭 佳寧(かく かねい)
日本に伝来した仏教は、信仰の対象であると同時に「学ぶべき知」としても受け入れられてきました。では、昔のお坊さんたちは、どのように仏教を学び、修め、後世へと伝えていったのでしょうか?本講座では、朝鮮半島、中国を経て伝わった仏教の「学び」の系譜をたどりながら、日本の寺院における知の伝達の実態を紹介します。中世の学問寺院である大須観音を取り上げ、教科書の調達など学びの場としての寺院のあり方を具体的に解説します。
受講方法:教室受講(名古屋・栄 中日文化センター)
受講料:3か月(3回)分 9,900円
申込詳細:中日文化センターwebサイトからお申込みください
主催:中日文化センター
協力:名古屋大学 学術研究・産学官連携推進本部
問い合わせ:名古屋大学 学術研究・産学官連携推進本部
jinzai-g-event[at]t.mail.nagoya-u.ac.jp(熊坂) ※[at]を@に変換してください