名古屋大学協力会主催 講演会 「脱炭素社会構築に貢献する森林資源利用~イノベーション最新動向~」
【開催趣旨】
我が国の森林は、現在、育成の時代から主伐・再造林と資源の持続的な利用に基づく循環の時代へ大きく転換しつつあります。このような中で、大型木造建造物の建設や木材の土木事業への利用推進等、新たな木材需要の拡大に強い期待が寄せられております。また、地球温暖化やマイクロプラスチックによる海洋汚染問題を解決するために、エネルギーや素材原料を化石資源からバイオマスへと変換していくことが早急に求められています。国際連合が持続可能な開発目標 Sustainable Development Goals (SDGs) を打ち出したのも、このような状況への対応を促すことが目的となっていることは周知のとおりです。
今回の講演会では、二酸化炭素削減と社会の持続的発展の両立を可能にする木材利用に関する最新動向を紹介します。
【開催日時】2019年9月20日(金)14:00~17:30
【開催場所】名古屋大学 ベンチャービジネスラボ(VBL)内 3階 ベンチャーホール
会場地図 http://www.vbl.nagoya-u.ac.jp/access/index.html
【主 催】名古屋大学協力会
【後 援】日本木材学会中部支部、日本木材加工技術協会中部支部、
NPO法人東海地域生物系先端技術研究会、木造都市研究会「木愛の会」
【参加費】会員: 無料 <後援団体会員様含む>
非会員:1000円
【プログラム】
14:00~15:30
講演1:「木質バイオリファイナリーの現状と課題」
名古屋大学大学院 生命農学研究科 森林・環境資源科学専攻
教授 福島和彦
石油由来プラスチックは、便利さの一方で、海に流出した大量のプラスチックが「マイクロプラス
チック」となり、深刻な環境問題を引き起こしています。また、地球温暖化防止の観点からも、
化石資源の利用は大幅に削減しなければなりません。こうしたことから、カーボンニュートラルな
生分解性の素材を製造する技術と新産業創成が求められており、木質バイオマスからいろいろな化
学成分(セルロース、リグニン等)を取り出し、機能材料に変換する技術が内外で開発されつつあり
ます。
ここでは、木質バイオリファイナリーの現状と課題について紹介します。
1) 我が国の森林資源について
2) 脱炭素社会へのシナリオ(パリ協定とSDGs)
3) 木質を構成する成分(セルロース、ヘミセルロース、リグニン)
4) 木質バイオリファイナリー最前線
5) 将来展望
15:30~17:00
講演2:「森-街連携を構築する都市の木質化」
Wood utilization in the urban area for forest-town cooperation
名古屋大学大学院 生命農学研究科 森林・環境資源科学専攻
准教授 山崎真理子
木材利用の重要な環境貢献の一つに炭素貯蔵効果があります。
これについて,気候変動枠組条約ではそれぞれの国が果たすべき役割を条約提携国の間で合意する
ために長い時間をかけて討議・調整が行われてきました.ダーバン決議とパリ協定の締結,さらに
SDGs推進を受けて,現在,各国は精力的に行動を起こしています.それが量的効果を発揮する中
大規模木造建築の建設推進です.
本講演では,これについてご紹介するとともに,今年度から譲与が開始される森林環境譲与税や
名古屋大学の都市の木質化プロジェクトなど,この地区に受ける動きもご紹介します。
17:00~17:30 個別相談会
17:30 閉会
【お申し込み・お問い合わせ】 名古屋大学協力会事務局
電話/FAX:052-782-1811
e-mail:kyouryokukai@aip.nagoya-u.ac.jp