あいちサイエンスフェスティバル2014

名古屋スペースキャンプ 2014 NSC-3

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が主催し、宇宙開発に関心のある生徒を対象に7月29日から4日間にわたって開催されました。講義や演習、施設見学を通し、日本の宇宙開発について理解を深めてもらうことを目的としています。

・日程:2014年7月29日(火)~8月1日(金)
・主催:JAXA
・共催:名古屋大学、名古屋市科学館
・協賛:三菱重工業株式会社


理学研究科U研究室

講師:松本 浩典(名古屋大学准教授)、三石 郁之(名古屋大学助教) U研では松本浩典准教授と三石郁之助教がX線天文学や衛星プロジェクト、観測器についての紹介を行い、X線望遠鏡に使われる反射鏡の生産現場を見学しました。


工学研究科 流体力学研究グループ

講師:仙波 直樹(名古屋大学博士前期課程) 空洞実験装置などの研究施設を見学しました。空洞実験装置を使い、翼に見立てたボードを持つことで航空機が飛ぶ仕組みを体感することが出来ました。


工学研究科 推進エネルギーシステム工学研究グループ

講師:山田 絋平(名古屋大学博士前期課程) 宇宙環境での熱制御を中心に宇宙環境から機材を守るシステムついて山田氏が説明しました。熱などから衛星を守る素材を観たり、ヒートポンプを触らせてもらいました。


工学研究科 推進エネルギーシステム工学研究グループ

講師:武藤 浩平(名古屋大学博士前期課程)、石原 一輝(工学部4年生) 回転デトネーションエンジンなどの次世代のロケット推進機について紹介しました。実際に実験に使った機材などを見るなど、研究を実感する場になりました。


モデルロケット打ち上げ実験 豊田講堂前広場(打ち上げ現場)

夕方からは豊田講堂前広場で参加者が各自作成したモデルロケットの打上げ実験を行いました。最後にU研の松本氏が「研究には失敗がつきもの」と参加者に話をしました。最終日には報告会があり、名古屋大学で勉強したいと多くの参加者が話しました。


ネットワーク中心企画 市民向け講演会 先端科学技術と社会

私達の生活に密着するようになった科学技術。日本を代表する研究者が、社会と科学技術の関わりについてお話する、週末の午後のあいちサイエンスフェスティバル2014メインイベントです。科学技術の現状や課題について、参加者の意見も聞きながら進めました。

生命の時を刻むタンパク質 -生物はどのように時間を感じるか-

日時:2014年10月25日(土)14:00-16:00 会場:三井住友銀行 SMBCパーク 栄 講師:近藤 孝男(名古屋大学大学院理学研究科特任教授) 挨拶:國枝 秀世(名古屋大学理事 副総長) 近藤氏は生物の体内時計研究により、2011年紫綬褒章、2014年日本学士院賞を受賞されています。講演では、生物の時を刻むタンパク質(Kaiタンパク質)発見までの道のりを多くの実験データとともにご紹介頂きました。また、その働く仕組みについて、振子時計と比較しながら興味深射説明がありました。会場から多くの熱心な質問の声があがり、大変盛り上がった講演会となりました。


サイエンスカフェと工作 「エコで『くっつく』サイエンス」

あいちサイエンスフェスティバル事務局企画 子ども向けイベント 日時:2014年11月1日(土)15:00-17:00 会場:名古屋大学豊田講堂第1会議室 ゲスト:田嶋 聡美(名古屋大学工学研究科特任准教授)、佐藤 綾人(名古屋大学WPI-ITbM特任講師)、吉野 奈津子(名古屋大学全学技術センター野外観察園技術職員)

2014年11月に、名古屋でESD子ども世界会議が開催されたことを背景に、小学生向け・サイエンスカフェと工作『エコで、「くっつく」サイエンス』を企画しました。参加者の子ども達に、身の回りの「くっつく」しくみを、物理(表面を工夫してみよう)・化学(のりを作ってみよう)・植物(ひっつきむしをみてみよう)という様々なサイエンスの視点で考えてもらい、そこから生まれたアイデアをもとに廃材を用いて工作してもらいました。子ども達、そして同伴の大人達も「くっつく」現象に敏感になり、数々の実験と説明に興味をかきたてられた2時間となりました。


あいちサイエンスフェスティバル2014 さかえサイエンストーク

光子の逆説-ミクロの世界の不思議-

日時:2014年10月1日(水)18:30-20:00 ゲスト:谷村 省吾(名古屋大学大学院情報科学研究科教授) 会場:ジュンク堂書店ロフト名古屋店 光は波なのか、粒なのか。波だと考えれば説明がつくこともあり、粒だと考えれば説明がつくこともあり・・・。まるでトリックアートのような様相を見せる光の世界の不思議について、紹介しました。ちょっとした実験やユーモアも交えて、わかりやすく面白い、量子力学のお話でした。


「あな」があったら・・・入りたい?-分子細孔の魅力-

日時:2014年10月2日(木)18:30-20:00 ゲスト:坂本 裕俊(名古屋大学ERATO伊丹分子ナノカーボンプロジェクト特任助教) 会場:文化系飲食店「ボクモ」 坂本氏がこれまでに研究してきた「あなだらけ」の物質について、紹介しました。「あなだらけ」は無用の空洞ではなく、分子の吸着、貯蔵などといった性質を備えることで、工業、環境、医療、エネルギー問題を解決するのに有用なことを分かりやすく解説しました。今世界が注目する最先端の「あなだらけ」物質も紹介し、沢山の質問が飛び交う中、参加者もその魅力にハマっていました。


モノが語る歴史を読み解く-年代測定による由来探しのサイエンス-

日時:2014年10月7日(火)18:30-20:00 ゲスト:鈴木 和博(名古屋大学名誉教授) 会場:Café & Ber Perms 炭素14を用いた遺物の年代測定についてのお話でした。長崎沖で発見された木石碇の年代測定の結果、元寇の背景に日本の金銀を狙うイスラム商人の後押しがあったことが推察ます。また、現代の里山キツネがいなくなった時期について、遺骸と一緒に見つかったチキンラーメンの袋が重要な鍵を握っていました。理系の研究によって歴史的事実を推定する、とても面白いお話でした。


音の不思議の科学-知っているようで知らない世界へようこそ-

日時:2014年10月14(火)18:30-20:00 ゲスト:武田 一哉(名古屋大学未来社会創造機構教授) 会場:Café & Ber Perms 「音」の研究について、「音響の物理」から、「コミュニケーションとしての音」まで、紹介しました。いまや音の研究は、工学を基礎にしながらも、情報学として研究が進められているとのこと。人間の声を機械等で再現する試みの進歩について、ふいごを使った初歩的な仕掛けにはじまり、初音ミクの完成度にいたるまで、映像を用いた楽しいトークでした。大学院生による実演もあり、カフェの雰囲気とマッチした、サイエンスの夕べとなりました。


未来を拓くロボット技術

日時:2014年10月15日(水)18:30-20:00 ゲスト:新井 史人(名古屋大学大学院情報科学研究科教授) 会場:ジュンク堂書店ロフト名古屋店 実際に社会で活躍しているロボットや、世界のロボット研究者が開発している最先端のロボットまで、幅広く紹介しました。実際のロボットの映像をふんだんに見ることができ、ロボット研究の現状を大変わかりやすく知ることが出来ました。新井氏は、生物の動きに近いロボットを開発したいとのこと。その点では、まだ機械音や柔軟さ等の点で、課題が大きいそうです。会場からは、癒しのためのロボットや、人間のよこしまな心を察知して抑えるセンサー付きロボットなど、ロボット開発への様々な期待が示されました。


健康長寿のひけつ-栄養とフレイルを中心に-

日時:2014年10月16日(木)18:30-20:00 ゲスト:葛谷 雅文(名古屋大学未来社会創造機構教授) 会場:文化系飲食店「ボクモ」 超高齢社会に突入した日本にとって重要な老年医学を、健康長寿の秘訣を中心に話しました。「肉を食べることは不健康」と安易に考えず、しっかりと取ることや、高齢化がもたらす地域医療の重要性についても触れ、参加者からの様々な疑問に答えました。超高齢社会の医療課題について、社会と個人で対応していかなければならないと感じました。


プラズマで「がん」を治すはなし

日時:2014年10月17日(金)18:30-20:00 ゲスト:堀 勝 (名古屋大学未来社会創造機構教授) 会場:名古屋テレビ塔※この回のみ2F会議室 プラズマで癌を治すと聞くと、患部にプラズマを照射するのだと想像しがちですが、それだけでなく、プラズマを照射した培養液を患部に注射することでも、効果がありそうだとのこと。着実に研究データが蓄積されており、これが実現したら夢のような話だと、参加者一同、感動のサイエンストークでした。プラズマの効用は農・水産業など他分野にも応用可能とのこと。プラズマ研究の今後に、大注目です。


ダイエットの科学-アミノ酸と運動の活用法-

日時:2014年10月20日(月)18:30-20:00 ゲスト:下村 吉治(名古屋大学大学院生命農学研究科教授) 会場:三井住友銀行SMBCパーク 栄 ダイエットについて、食事の仕方や運動の効果など科学的根拠に基づいて紹介しました。運動は健康の維持・増進に有効ではあるものの、継続するのが難しいものですが、その「運動による筋肉痛や疲労感」というダイエットの阻害要因を克服する方法もまた、科学的根拠から説明しました。実践の前に頭で理解する、効果的なダイエットのお話でした。


学外アウトリーチ活動、その他

キッズボタニカル・ラボ

日付:2014年8月23日(土) ゲスト:瀬上 紹嗣(名古屋大学大学院生命農学研究科細胞ダイナミクス研究室研究員) 会場:東山動植物園植物会館研修室 (名古屋市千種区東山元町3-70) 主催:名古屋市東山植物園 共催:名古屋大学大学院生命農学研究科細胞ダイナミクス研究室 協力:名古屋大学学術研究・産学官連携推進本部 名古屋市立東山動植物園において、小学3~6年生を対象に、ワークショップを行いました。4~5名のグループとなり、皆で協力して、オオカナダモの光合成量の違いを実験で確認しました。子どもたち自身で仮説を立てながら、様々な条件下で実験方法を考え、実際に操作することを楽しみながら学んでいました。最後は、ポスターを作成し、皆の前で堂々と報告することができました。


武豊町立図書館 ワークショップ

日付:2014年7月27日(日) ゲスト:梅村 綾子(名古屋大学学術研究・産学官連携推進本部研究員) 会場:武豊町立図書館(愛知県知多郡武豊町山ノ神135-1) 主催:武豊町立図書館 協力:名古屋大学学術研究・産学官連携推進本部 武豊町立図書館において、図書館の本を用いた小学生向けワークショップに、名古屋大学から講師を派遣し、協力しました。「体感しよう!五感の不思議」と題し、みる、きく、かぐ、さわる、たべる、をテーマにクイズに答えてもらいながら、子どもたち自身で感じた疑問を発掘しました。皆のそれぞれの疑問は、図書館の司書さんや講師にヒントをもらったり、皆で相談しながら、自分で考えて図書館の本で調べました。最後はしっかりとレポートにし、皆に報告することができました。終始熱心に取り組む姿は、研究者そのものでした。


愛知県立図書館 サイエンスセミナー

・会場:愛知県図書館(名古屋市中区三の丸1-9-3) ・主催:愛知県立図書館 ・協力:名古屋大学学術研究・産学官連携推進本部


第1回「奇妙な宇宙:宇宙の全体像とその外側」

日付:2014年8月3日(日)
ゲスト:松原 隆彦(名古屋大学大学院理学研究科准教授)


第2回「屋久杉をもちいた過去の宇宙線観測」

日付:2014年8月9日(土)
ゲスト:三宅 芙沙(名古屋大学太陽地球環境研究所特任助教)


第3回「花や葉はどのようにできるか」

日付:2014年8月13日(水)
ゲスト:佐藤 豊(名古屋大学大学院生命農学研究科准教授)


第4回「ヒッグス粒子の見つけ方」

日付:2014年9月14日(日)
ゲスト:戸本 誠(名古屋大学大学院理学研究科准教授)

名古屋大学の研究者を愛知県立図書館に派遣してサイエンスセミナーを開催しました。全4回のテーマは宇宙物理などどれも平易なテーマではなかったのですが、毎回多くの参観者がありました。会場から難しい質問も多く、「またやってほしい」という熱い声がたくさん寄せられました。台風接近でお客様がいらっしゃるか心配な回もありましたが、杞憂に終わり盛況でした。


名古屋市鶴舞中央図書館 図書館サイエンス夜話

・会場:名古屋市鶴舞中央図書館 (名古屋市 昭和区鶴舞1-1-155) ・主催:名古屋市鶴舞中央図書館 ・共催:名古屋大学学術研究・産学官連携推進本部


第一夜「情熱サイエンス-植物科学で食料増産に挑む」

日付:2014年10月24日(金) ゲスト:芦苅 基行(名古屋大学生物機能開発利用研究センター教授) お米の品種改良を研究する芦苅氏のエネルギッシュなお話をたくさんの方に聞いていただきました。お米の歴史から最新の品種改良まで、参加したみなさんは熱心に聞いていらっしゃいました。


第二夜「脳を知ることでさかなの行動を知る」

日付:2014年10月30日(木) ゲスト:阿部 秀樹(名古屋大学大学院生命農学研究科准教授) 小さな魚の脳に詰まった、たくさんの機能についてお話ししました。阿部氏が持参した金魚の脳の標本に、みなさん興味津々でした。魚大好き(?)の方にたくさんお集まりいただきました。


第三夜「野生動物をとことん追跡!-先端技術で行動を記録するバイオロギング-」

日付:2014年11月7日(金)
ゲスト:依田 憲(名古屋大学大学院環境学研究科教授)

動物にカメラやGPSを付けて記録するバイオロギングについて話しました。海の中や空の上での動物たちの様子がハイテク機器で分かることに参加者の皆さん、驚いていらっしゃいました。実際にバイオロギングで記録された動画もお見せしました。


犬山市立図書館 ~図書館まつり~ 講演会「彗星はどこからやってくるのか」

日付:2014年11月2日(日) ゲスト:小林 浩(名古屋大学大学院理学研究科助教) 会場:犬山市立図書館(犬山市犬山東古券322-1) 主催:犬山市立図書館、協力:名古屋大学学術研究・産学官連携推進本部 犬山市市制施行60周年を記念した図書館まつりの一企画に、名古屋大学理学研究科の小林浩氏を講師に派遣し、サイエンス・トーク「彗星はどこからやってくるのか」を開催しました。小林氏は、分かりやすい言葉で説明しながら、子ども達からの多くの疑問質問にも丁寧に答えていました。また、彗星はほこりが合体して大きくなることに似ていることを、綿を使って参加者にも体験してもらい、参加者の理解はより一層深まった様でした。


名古屋大学出前事業 in 豊橋

・会場:豊橋市自然史博物館(豊橋市大岩町大穴1-238)


「植物プランクトンがクジラを進化させた?~小さな化石から探る地球環境変動と生物進化」

日付:2014年10月26日(日) ゲスト:須藤 斎(名古屋大学環境学研究科准教授)


「炭素を用いた年代測定法」

日付:2014年11月24日(月・祝) ゲスト:中村 俊夫(名古屋大学年代測定総合研究センター教授)


「染色体に刻まれた脊柱動物の進化」

日付:2014年12月7日(日)
ゲスト:松田 洋一(名古屋大学大学院生命農学研究科付属鳥類バイオサイエンス研究センター長)


「昆虫の形作りの秘密を探る」

日付:2014年12月14日(日)
ゲスト:新美 輝幸(名古屋大学大学院生命農学研究科助教)


サイエンスアゴラ2014

日付:2014年11月7日(金)~9日(日) 会場:日本科学未来館(東京都江東区青海2-3-6) サイエンスコミュニケーション人材の交流の場でもあるサイエンスアゴラに出展。アウトリーチの場として提供を始めた、サイエンスフェスティバルの成果と課題について、および学術研究・産学官連携推進本部のアウトリーチ活動について紹介しました。全国のサイエンス・フェスティバル担当者との会合にも参加し、フェスティバル間の連携を進める場にもなりました。