数理ウェーブ 2010年度

平成23年3月26日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

※このイベントは終了しました。

①14:00-15:00 「方程式を解いた人々」 講師:大沢健夫(名古屋大学多元数理・教授)

方程式を解くために考え出された様々な工夫を、数学者たちの仕事をたどりながら古い順に紹介します。2次方程式の解を近似的に求める方法についても考えてみます。3次方程式の解の公式など特に重要なものについての詳しい内容と、5次方程式の研究から生まれたガロア理論の説明は次の竹内先生のお話に譲ります。

②15:10~16:10 「ガロア理論とその応用ー生誕200年を記念して」 講師:竹内 茂(岐阜大学・名誉教授)

今年はエヴァリスト・ガロア生誕200年に当たる記念すべき年です。
ガロア理論に関係した話題を以下のようにお話する予定です。

  • 2次から4次までの低次代数方程式の解法を、皆さんと一緒に考える。
  • 5次以上の方程式が解けない理由を、ガロア理論に基づいて説明する。
  • 最後に2.の応用として、三角形の面積を求めるヘロンの公式、円に内接する四角形の面積を求めるブラーマ・グプタの公式を、五角形以上の多角形には一般化できない、という松本幸夫氏らの研究結果を紹介します。

平成23年1月22日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

※このイベントは終了しました。

①14:00-15:00 石けん膜が作る最短路(日本数学コンクールの問題から) 講師 鈴木 紀明 (名城大学理工学部・教授)

昨夏の日本数学コンクールで出題された問題のひとつ「大きく切り開く」について、高校生や中学生がどのように考えたかについて解説します。この問題は、シュタイナーの最短路問題と関係しており、その最短路を極小曲面である石けん膜が教えてくれることを実験したいと思います。

②15:10~16:10 最大・最小問題の考え方 講師 大沢 健夫 (名古屋大学多元数理・教授)

一定の条件の下で得られるベストの結果を知るため、数学的な考え方が役に立つことがあります。最大・最小問題はその一例といえます。これについて、幾何的な解法の例や論理的な側面についてお話しします。

10月23日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

※このイベントは終了しました。

①14:00-14:30 数学コンクール論文賞受賞者による研究発表 数字の出現頻度:東海高校数学研究会

②14:45-15:45 3次方程式の種々の解法について 師 大沢 健夫(名古屋大学多元数理:教授)

12月25日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

※このイベントは終了しました。

①14:00-15:00 アフリカの数学--ソナの砂絵-- 講師 庄司 俊明(名古屋大学多元数理:教授)

中央アフリカに住むチョクエやルンダの人々は、部族に伝わる神々の伝承や動物達との交流を、砂地に絵を描きながら語り継いで来た。これをソナまたはルナという。ソナは一種の一筆書きであるが、数学的に興味深い図形である。講演では、ソナにひそむ数学の魅力を伝えたいと思う。

②15:15~16:15 多面体を解こう 講師 大沢 健夫(名古屋大学多元数理:教授)

数学コンクールで出現された問題のうち多面体に関連するものをいくつか選んで解説し、関連した数学の話題を紹介します。

11月27日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

※このイベントは終了しました。

①14:00-15:00 複素数で解く図形と方程式 講師 大沢 健夫(名古屋大学多元数理:教授)

複素数の概念は方程式の解の公式の発見に伴って整備されたものですが、ガウスによって幾何への応用が見いださ れて以来、様々な数理構造の研究に役立って来ました。その中から有名なものをいくつか選んで紹介します。

②15:10~16:10 【複素数の一般化とトポロジー】講師 小林 亮一 (名古屋大学多元数理:教授)

代数学の基本定理は、その名前からは想像しがたいが、その証明は本質的にトポロジーである。それの高度な一般化として、1958年に解決した可除代数の決定問題がある。 実ベクトル空間に入る「複素数的な体系」を分類しよう、という問題である。その解決は、非常に深いトポロジーによっている。このあたりから、話題を選んでお話したい。

6月26日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

※このイベントは終了しました。

①14:00~15:00 【経路積分から見るミクロの世界】講師 福田 恭平(名古屋大学理学研究科:院生)

原子くらい小さな世界になると日常経験する常識が通じなくなってしまいます。そのような世界を記述するための物理の分野として量子力学があります。そこで、今回の話の内容は量子力学の入門としてファインマンによって導入された経路積分の概念を物理の立場で紹介します。簡単な計算を通してこの不思議な世界を感じてもらいたいと思います。

②15:20~16:20【動かない点と動く座標】講師 大沢 健夫(名古屋大学多元数理:教授)

電車の窓の外の風景の移り変わりを観察することにより、電車がどう動いているかを知ることができます。この考えを発展させて幾何学を例題を解きながらご紹介します。

5月22日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

※このイベントは終了しました。

①14:00~15:00 3次元球面を視る(2つのボールを張り合わせよう) 講師 長郷 文和(名城大学理工学部・助教)

概要:例えば(中身の詰まっていない)ゴムボールを"赤道部分"で2つの"お椀"に切り分けてください。"お椀"を強引に平らにすると円盤になります。この現象は,位相幾何学(柔らかい幾何学)における2次元球面(原点からの距離が1である3次元空間内の点の集合)という曲面の1つの捉え方を表しています。
さて,この発想は,ちょっと変わった空想の世界に導いてくれます。例えば,"2次元人"(平面内にしか住めない知的生命体)がいたとします。彼らは,縦・横・高さの広がりを持つ2次元球面の全体像を直接見ることはできません。
そこで2次元人に『2つの円盤をその淵で貼り合わせれば2次元球面ができる!』と"3次元人のお告げ"として声をかけてあげましょう。しかし,この貼り合わせは平面内ではどう見ても無理ですから,全く信用しない2次元人も多いでしょう。
そこで,この講演では,2次元人に,この『貼り合わせ』を理解してもらえる(?)様な1つのアイデアを考えたいと思います(皆さんも考えてきてください)。
すると,4次元空間において,2つの中身が詰まったボールを,その淵の2次元球面で"きれいに"貼り合わせることも可能になりますし,完成した物体が3次元球面(原点からの距離が1である4次元空間内の点の集合)になることが視える様になります。
この貼り合わせは,3次元空間では,どう見ても無理ですから信じ難いことですが,"4次元人のお告げ"が聞こえる様,まずは2次元人の気持ちになって議論してみましょう。

②15:10~16:10 いろいろな加法定理 講師 大沢 健夫 (名古屋大学多元数理:教授)

概要:三角関数の基本的な性質としてよく知られている加法定理をとりあげます。その歴史や平面幾何の問題への応用の話からはじめて、18世紀に発見された新しい視点からの加法定理の言い換えと、それを発端として展開した楕円関数の理論の一端を紹介します。

4月24日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

※このイベントは終了しました。

①14:00~15:00 対数関数の多様な姿 講師 山盛 厚伺(名古屋大学多元数理:院生)

概要:対数関数は高校で習う関数ですが、この関数は現代の数学のいろいろな場面で現れます。この講演ではその中からいくつかの話題を選び紹介したいと思います。

②15:10~16:10 数の概念について 講師 大沢 健夫(名古屋大学多元数理:教授)

概要:自然数が表すものは、通常は「個数」と「順序」の二種類とされていますが、「分割」もそうだという説があります。数学者で仏教にも造詣の深い藤本坦孝氏の論説など、いくつかの「自然数論」を調べてお話します。