数理ウェーブ 2018年度

3月23日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

イベント詳細

日時 平成31年3月23日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

14:00~15:00 講演1

講演者:森 翔汰(名古屋大学大学院多元数理科学研究科 修士課程)

テーマ:『破産問題の一例』

あなたと友人が勝敗のつくゲーム(オセロやチェスなど)で賭け事をしている場面を想像してください。毎回同額のお金を賭け、どちらかの所持金が底をつく(破産する)まで同じゲームを繰り返します。あなたは白黒つけたい性格のため、最後まで賭けを行いたいのですが、最終便の時間も気になります。そこで、いつまでに(多分)終えられるかを計算することにしました。以上の内容を、歴史的な問題「破産問題」と絡めながら、数学的に議論します。

15:10~16:10 講演2

講演者:奥田真吾(三重県立津高等学校 講師)

テーマ:『畳の敷き方』

広さm×nの長方形の部屋にk畳半の畳を敷き詰めるとき、その敷き詰め方の総数を考えます。ただし畳の広さは、1×2または2×1を1畳、1×1を半畳とします。半畳を考えない問題、すなわちm、nの少なくとも一方が偶数のときについては統計物理と関係があり、既に解決されています。一方mとnが両方奇数のときには、必ず半畳を考えざるを得なくなります。半畳の畳を1枚だけ使用する条件では、果たしてどのように考えればいいでしょうか。本年度の日本数学コンクールで出題したこの問題を、3×3、3×5、3×n、5×5等について解説します。

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名古屋大学研究協力部社会連携課 052-747-6484

1月26日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

イベント詳細

日時 平成31年1月26日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

14:00~15:00 講演1

講演者:岩田英人(名古屋大学大学院多元数理科学研究科 博士後期課程)

テーマ:『群のはなし:対称群と2面体群を中心に』

みなさん「群」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。群は数学のさまざまな分野に登場する重要な概念であり、数多くの例があります。講演ではまず群の定義と簡単な例を紹介します。次に「3次対称群」と「3次の2面体群」という集合についてそれぞれ紹介・説明をします。そして、この一見異なる 2 つの例が群の立場で見るとどのような関係があるのかについて考えたいと思います。初めて聞く方にとっては幾分抽象的で内容の完全な理解は容易でないかもしれませんが、この講演がきっかけで群に興味を持って群論の勉強を始めて頂ければ幸いです。

15:10~16:10 講演2

講演者:野坂武史(東京工業大学理学院数学系 准教授)

テーマ:『3次元の折り曲げと多面体の体積』

3次元の多面体の折曲げ変形についてお話します。平面の折曲げは自由度が高く、囲まれる面積も折曲げで変動します。他方で、3次元内では折り曲げが不可能の場合がほとんどで、条件が厳しいです。ところが可能な場合、囲まれる体積が折曲げで不変になるなども知られています。本講演ではペロンの公式から始め、3次元折曲げの話題を紹介します。

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12月22日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

イベント詳細

日時 平成30年12月22日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

14:00~15:00 講演1

講演者:伊師英之 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 准教授

テーマ:『2次関数の最小値・再論』

2次関数の最大値および最小値を求める問題は、平方完成をすることによって綺麗に解くことができます。その議論は2次関数にしか適用できないように見えますが、関数を2次関数で近似することにより、広範な関数に対して精度の良い近似解を求める方法として一般化できます。このニュートン法と呼ばれる方法を紹介し、現代社会を支える基礎技術としての役割を論じます。

15:10~16:10 講演2

講演者:淺井聡太 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 JSPS特別研究員

テーマ:『2次関数と無向グラフ』

1変数の2次関数が常に正の値をとるかどうかは、平方完成を行うことで簡単に分かります。今回の講演では、このような問いを、変数の数を増やした2次関数について考えてみたいと思います。一定の条件を満たす2次関数については、「無向グラフ」と呼ばれる、いくつかの頂点を線で結んだ図形(これは関数のグラフとは別物です)を対応させることで、この問いに効率よく答えを出すことができます。常に正であるような2次関数に対応する無向グラフは、どんな形をしているでしょうか?

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11月24日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

イベント詳細

日時 平成30年11月24日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

14:00~14:20 講演1

講演者:伊師英之 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 准教授

『第19回 日本数学コンクール・日本ジュニア数学コンクール論文賞の講評』

14:30~15:10 講演2

講演者(受賞者):星野泰佑 東海高校2年

15:10~15:50 講演

講演者(受賞者):兒玉太陽 海陽中等教育学校5年

テーマ:『初等幾何的解法の存在する角度の問題』

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10月27日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

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日時 平成30年10月27日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

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14:00~15:00 講演1

講演者:松井 紘樹氏 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 博士研究員

テーマ:『ものの数を数える数学』

さて、いきなりですが問題です。球面を三角形で埋め尽くしたとき、頂点の個数と三角形の数はどのような関係にあるでしょう?このようなものの数を数え上げるという問題は組合せ論と呼ばれる数学の分野に含まれますが、非常に素朴な問題ながら現代数学の伝統的な諸分野と深い関わりを持ちながら発展しています。一方で可換環と呼ばれる数学的な対象があります。可換環とは、足し算、引き算、掛け算を行うことのできるようなものの集まりで、整数の集まり、多項式の集まりのようなものをイメージしてもらえればいいと思います。この講演では、一見無関係に見えるものの数え上げと、代数的な対象である可換環、これらの間にある美しい関係に迫っていきたいと思います。

15:10~16:10 講演2

講演者:水谷 雄一氏 名古屋市立山田中学校 講師

テーマ:『低容量放射線被爆の数学モデル』

東日本大地震による福島の原発事故以来、低放射線の人体への影響が国内でいろいろと議論されています。従来の定説であったLNT(しきい値なし線形)モデルによると、放射線の被曝量が高ければ高いほど右肩上がりの直線的な突然変異の発生率の増大が想定されるとされ、特にこの仮説に基づき行なったマラーのショウジョウバエの実験は有名です。しかし近年このLNTモデルの欠陥やデータとの不一致が多くの研究者や研究機関によって指摘されています。そこでLNTに代わる新たな数理モデルとしてWAMモデルと名付けられたモデルが提案されました。そのモデルから導き出されるスケーリング関数は、5種類の種(マウス、ショウジョウバエ、トウモロコシ、菊、ムラサキツユクサ)の低放射線量下での突然変異のデータを統一的に再現できます。ただその一方で、その関数が突然変異頻度(確率)を表すものの、確率論的な視点からは曖昧な点も多くあります。本講演では、この関数を確率論的にしっかりと議論・整理し、結果としてそれが代表的な確率分布の一つである指数分布である事を示したいと思います。

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6月23日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

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日時 平成30年6月23日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

プログラム

14:00~15:00 講演1

講演者:齋藤耕太 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 修士課程

テーマ:『…等間隔の列に魅せられて…』

 いきなりですが,素数からなる等差数列を作ってみましょう。例えば,「3,5,7」は項数3の素数からなる等差数列です。次に,項数4の素数からなる等差数列を作ることはできるでしょうか? 素数表を眺めて見るとわかりますが「5,11,17,23」は項数4の素数からなる等差数列です。そこで,項数5,項数6,項数7,…というように項数をどんどん大きくしていくと,素数からなる等差数列はなかなか見つからなくなります。しかし,2003年にグリーンとタオによって次の定理が証明されました。
「任意の項数の素数のみからなる等差数列が存在する。」
この定理により,項数100の素数からなる等差数列は存在しますし,項数100000の素数からなる等差数列も存在するのです。タオはこの業績もあり数学最大の名誉「フィールズ賞」を受賞しています。
 今回の講演ではこの問題を直接扱うわけではありませんが,関連した「ファン・デル・ヴェルデンの定理」や「ガワーズの上界」などについて,4目並べを拡張させたボードゲーム「APG」を通じて楽しく紹介していきたいと思います。

15:10~16:10 講演2

講演者:中島秀斗 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 JSPS特別研究員

テーマ:『ルービックキューブと数学』

ルービックキューブは,ハンガリーの建築学者ルビク・エルネーにより発明された立体パズルです。誕生から40年以上経っていますが,毎年大会が開催されているなど,現在でも広く親しまれています。さて皆さんは,ルービックキューブにおいて同じ操作を繰り返すとどうなるかということを考えてみたことはないでしょうか。今回はこの素朴な問題を出発点として,その裏に隠れている数学を少しだけ覗いてみたいと思います。家にルービックキューブがあるという方は,是非持ってきてください。

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5月26日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

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日時 平成30年5月26日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

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14:00~15:00 講演1

講演者:伊師英之 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 准教授

テーマ:『べき乗和の公式と,その先の話』

自然数を1からnまで足した和を与える公式や,自然数の2乗の和,3乗の和の公式はよく知られていますが,4乗和はどうなっているでしょうか.実は,一般のべき乗和はベルヌーイ数というものを用いて表されることが知られています.オイラーは,全ての自然数の偶数乗の逆数の和もベルヌーイ数を用いて表されることを発見しました.その裏には,自然数のべき乗の発散級数と,べき乗の逆数の無限級数の間の驚くべき関係が潜んでいます.その一端を紹介します.

15:10~16:10 講演2

講演者:武田 渉 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 博士後期課程

テーマ:『原点可視格子点~好きなあの子が見える確率~』

席替えをするとき好きな子の位置はとても重要な問題だと思います.いま全員の背丈は殆ど変わらず,好きな子とみなさんの間に他の生徒が並んでいたらみなさんから好きな子は見えなくなるものとします.好きな子が適当に席を決めたとき好きな子が見える確率はどのくらいでしょうか.その確率はとても意外な形に感じると思いますが数学的に重要な値です.今回はその確率を一緒に求め,さらに関連した研究をお話したいと思います.

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4月28日開催 日本数学コンクールフォローアップセミナー 数理ウェーブ

イベント詳細

日時 平成30年4月28日(土) 13:30開場

場所 名古屋大学 多元数理科学棟509号室

※数理ウェーブは数学コンクールで数学に興味を持った人はもちろん、数学に興味がある人なら誰でも参加できます。

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14:00~15:00 講演1

講演者:藤井大輔 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 博士後期課程

テーマ:『3x+1問題(コラッツ予想)について』

整数に対して「それが奇数ならその数を3倍して1を足す」「それが偶数ならその数を2で割る」という操作を繰り返し行うと、どのような正の整数から始めても必ず「1」にたどり着くことが観察されています。このことは3x+1問題(コラッツ予想)と呼ばれる未解決問題として知られています。今回は3x+1問題とその様々な一般化について、歴史的背景や、いままでに分かっていることについて説明いたします。最近の研究のトレンドについてもお話しできればと思います。

15:10~16:10 講演2

講演者:伊師英之 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 准教授

テーマ:『上一桁の数字の法則』


等比数列やフィボナッチ数列のように漸化式で定まる多くの数列について、下一桁の数字の規則性が観察されることが多いのですが,実は上一桁の数字にも「ベンフォードの法則」
とよばれる統計的な規則が成り立つことが屡々あります。その内容は、たとえば1の現れる頻度が4,5,6,7の現れる頻度の合計に等しいといったもので、数列に限らず様々なデータに対して成り立つ普遍的な法則です。この講演では、ベンフォードの法則が成り立つしくみを説明し、データ分析における応用を紹介します。

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