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ハイライト論文

季節センサー:魚と四季の移り変わり

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  • 2013/07/18

名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)の吉村崇教授を中心とした研究グループは、魚が季節の変化を感じとり、繁殖を制御する機能を持つ「季節センサー」を発見しました。この研究成果は2013年7月2日発行のNature Communicationsに掲載されました。

吉村教授はこれまでの研究で、哺乳類、鳥類が季節的繁殖をコントロールする上でカギとなる遺伝子とホルモンを発見しました(Nature2003/ 2008PNAS 2008/ 2010)。しかし魚類においてそれらがどのように季節の変化に応答し、繁殖期を制御しているのか、そのメカニズムはわかっていませんでした。

研究グループはヤマメ(サケ科:秋にのみ繁殖活動を行う)を研究材料として用い、季節の情報を伝達するホルモンが脳内のどの部分で働いているかを網羅的に解析しました。その結果、血管嚢と呼ばれる器官の中で、日照時間の変化に応じてホルモンが増減していることがわかりました。さらに、血管嚢を脳から取り出して日照時間の長い条件()、短い条件()下でそれぞれ培養したところ、血管嚢は日照時間の変化に応答すること、また血管嚢を摘出されたヤマメは日照時間の短い条件下におかれても繁殖活動を行わないことが明らかになりました。血管嚢は300年以上もの間、多くの研究者によって研究されてきましたが、これまでその機能は解明されていませんでした。今回の研究成果は、魚が季節変化を感じ取るメカニズムを解明した点、また長らく謎に包まれてきた血管嚢の機能を明らかにした点で、多くの反響を呼んでいます。この研究成果は生物の繁殖の人工的制御、またそれによる食料供給問題の解決につながることが期待されています。

吉村崇教授

吉村崇教授は、鳥類、哺乳類の光周性を制御する遺伝子(季節の変化を感じる仕組み)を世界で初めて発見しました。また2013年の3月にはニワトリがコケコッコーと鳴くメカニズムを解明・発表するなど、世界中から大きな注目を集めています。現在トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)Principal Investigatorとして、生物の繁殖を促進する分子の開発に携わっています。

今後の展望

"今後は生物が温度変化を感じ取って季節変化に適応するメカニズムを解明したいと考えています。"

これから研究する人へ

"研究を通して日々、生き物の生存戦略の巧みさに驚かされています。みなさんも生物の営みの謎に迫ってみませんか?"







参考

研究成果情報
吉村崇教授情報
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