「研究公開」企画@第56回名大祭「邂逅kaikou」
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- 2015/07/16
- 名大祭本部実行委員会
- 名大祭一・二年生実行委員会
- 大里智樹さん(工学部3年生)
- 常角翼さん(農学部3年生)
- 吉村泰河さん(理学部2年生)
- 横山修平さん(法学部2年生)
"私たち名大生は日々勉学に励み、サークルや部活動にいそしみ、自分たちのやりたいことを常に追求し続けている。日頃、私たちはその閉鎖空間に閉じこもっている。しかし、年に一度その閉鎖空間を飛び出し、「邂逅」をもたらす場所がある。それが名大祭だ。"
―名大祭テーマアピール文より。
2015年6月4日~7日、今年56回目となる名大祭が開催されました。5月10日のプレ企画―4月に入学したばかりの1年生による仮装行列―に始まり、名大祭は、学生らの一体感を高め、来場者数7万4千人(前年度比6千人超)を記録しました。
名大祭成功に向けての挑戦秘話を伺うべく、勉学の合間をぬいながらも数多の企画・運営に懸命に取り組んだ名大祭本部実行委員会の大里智樹さん(委員長)、常角翼さん(広報・新歓担当)、吉村泰河さん(研究公開担当)及び 名大祭一・二年生実行委員会の横山修平さん(委員長)を取材しました。
(聴き手:梅村綾子/NU Research)
~名大生と来場者が相互に学び、発見を得られる場~
**第56回名大祭について**
運営の立場として・・
NU Research:
名大祭が大盛況に終わり、お疲れ様でした。
運営の立場として、まずは委員長の思うところをお聞かせください。
大里智樹さん(工学部3年生):
私は、名大祭本部実行委員会委員長を務めさせて頂きました。名大祭本部実行委員会としては、名大祭理念「学生自治の祭典」のもと、今年も学生が主体となって、より活発に名大祭を盛り上げていけるように運営に臨みました。
名大祭組織として、今年は“マンパワー”で苦労した年であったにも関わらず、例年通りの企画数を出展することができ、来場者数においては7万4千人、と近年に比べ多くの方にご来場頂きました。子ども達からご年配の方まで、実に様々な方にご来場頂けたことを嬉しく思っています。
また、今年は大きなトラブルも無く、非常に平和に運ぶことができました。実行委員のことでお話すると、事前準備から手を抜くこともなく、皆が一体感を築き上げながら名大祭に備えることができたからだと思っています。一人一人が「名大祭を成功させたい」という心が一つになっていた、と思います。
横山修平さん(法学部2年生):
私は名大祭一・二年生実行委員会の委員長を務めさせて頂きました。今年は、特に本部実行委員会からの多大な協力を得ることもできて、人集めの面においても大きな進歩を遂げることができたと思います。実際、例年に比べても1年生が多く入ってくれたおかげで、1.5倍くらいの人数とともに、委員会を成長させることができました。
そんな大きな団体をとりまとめることができたこと、そして名大祭が終わった時には多くの方から感謝の言葉を頂けて、感慨極まりありません。
NU Research:
横山さんがおっしゃる「本部実行委員会からの多大な協力」とは、どのような協力があったのでしょうか?
常角翼さん(農学部3年生):
私は名大祭本部実行委員会の広報及び新歓担当として活動させて頂きました。我々の活動の一つとして、他団体と協力して行う、全新入生を対象とした新歓行事「全学一斉クラス結成会」があります。これを通し、その場でいかに名大祭の魅力をインパクト付けるか、実行委員の楽しさや面白さを伝えていくかに努めました。
もう少し具体的にお話すると、クラス結成会の内容のレベルアップを図りました。各団体の紹介にとどまるだけでなく、例えば、名大祭一・二年生実行委員会主催の名大祭プレ企画「仮装行列」における課題等に着目し、解決法を見出すべく、新入生同士、そして新入生と上級生の交流が増えるプログラム作りに励みました。
新入生の皆さんに、様々なことにチャレンジして、自らの興味や可能性を広げていく「きっかけ作り」として頂きたく、他団体と協力しながら、全力で取り組みました。
NU Research:
そもそも、名大祭本部実行委員会と名大祭一・二年生実行委員会は別団体なんですよね。しかし、このように協力し合う体制を築き上げ、互いに「大成功」を収められたということを非常に嬉しく思います。
**名大祭の目玉イベント「研究公開」について**
名大祭・学術イベント「研究公開」とは・・
NU Research:
名大祭にはお楽しみイベントが多数用意されていますが、ここでは、名大祭の目玉イベント「研究公開」について教えて頂きたいと思います。どんな規模で展開しているのですか?
吉村泰河さん(理学部2年生):
私は研究公開を担当させて頂きました。研究公開は、研究室公開が28企画、ラボツアーが14企画、研究公開セミナーは2企画、及び8研究室による合同展示会と1講演会、という約50企画で構成されました。
NU Research:
運営上の苦労はありましたか?
吉村泰河さん:
研究公開企画は、本来4人で担当するところを、今年は2人で回すことになってしまい、そこでの苦労はありました。
元を正せば、私が名大祭実行委員会に入会した当時、1年生の入会が少なかったため、結果、今運営する立場の人間が足りない、ということになります。加えて、入会する人が少ないということは、貴重な資金源となる会費が少ないというわけです。
研究室との連絡業務も単純計算2倍になりますし、研究公開パンフレットも今年は印刷所に依頼することもできず、手作りとなりました。その意味でも、人とモノの大切さを感じながら業務に携わっていました。
大里智樹さん:
今年は、「研究公開」以外にもいくつかの企画において、運営担当の人数が足りないという事態に陥りました。マンパワーが足りなかった企画は、3年生が応援に回ったり、規模を縮小したり、と対応したのですが、研究公開企画は、マンパワーは足りないまま、しかし企画数は例年に比べて増えた分、担当者は色々と知恵を絞って業務に励んでくれました。
NU Research:
苦労を経験するがゆえに身に付いた「運営のコツ」とはどんなことでしたか?
吉村泰河さん:
出展してくださる研究者の皆さんが困ることの無いように、業務に優先順位をつけて効率よく回すことに心掛けました。
私たちの気持ちは一つでした。つまり、企画に参加して頂いた研究室に「今年出して良かったな、来年も出したいな」と思ってもらえるように、また名大祭にご来場頂いた皆様には、「名大ではこんな研究をやっているんだ」と名大の研究を知ってもらうと同時に楽しんで頂けるよう、努めることができたと思っています。
NU Research:
当日はどんな方に楽しんで頂けましたか?
吉村泰河さん:
毎年楽しみにお越しくださるリピーターの方、また高校の先生が生徒さんを連れて、団体でお越しくださるケースもあり、実に様々の方に楽しんで頂けたと思っています。
「研究公開」が人気イベントである理由は、普段入ることのできない研究室に入室できることに加えて、その場で最先端の研究の話に触れて頂けるからだと思います。特に人気の研究室ツアーは、事前予約の時点でほぼ満席、当日予約で満席御礼となるほどでした。名大の研究公開をきっかけに、多くの市民の皆様と繋がることができて嬉しく思っています。
NU Research:
新入生の入会が少ない、ということが、翌年度の運営に関わってくるのですね。マンパワーとモノの大切さを学びながらも、大人気の名大の研究公開を大盛況のままに終えることが出来たとのこと、喜ばしい限りです。
**来年の名大祭へ向けて**
これからの「名大祭」に期待すること・・
NU Research:
来年の名大祭に向け、どんなことを受け継いでいかれるのでしょうか?
大里智樹さん:
今年は成功を収められたとは言え、“マンパワー”や“モノ”の制約があり、割と辛抱した年だったと思います。来年は、今年皆で頑張った分、これらも少しは解消されると思うので、是非やりたいことをやって欲しい、と思っています。来年の運営委員らにはプレッシャーかもしれませんが、名大祭を一回り大きくしてもらえたら、と願うばかりです。
常角翼さん:
今回、新歓を担当させて頂いて、いかに新入生を歓迎し、自らの活動をアピールした上で新入生を募集することが出来るか、非常に勉強になりました。このことは、名大祭本部実行委員会のみならず、全ての部活サークル、団体にとっても至上命題だと思っています。来年の実行委員らには、再来年の“マンパワー”を考慮しつつ、運営に励んでもらえるように、自らも応援していきたいと思います。
横山修平さん:
名大祭一・二年生実行委員会は、名大祭本部実行委員会のアドバイスや協力を得て、今年は非常に意義ある活動を収めることができました。そして今、私たち一・二年生実行委員会は、変革の時にいます。
早速の実践となる挑戦の一つに、私たち委員会が毎年秋に開催している「秋革祭」があります。毎年“お遊び企画”のみからなる学祭だったのですが、今年は、本部実行委員会の皆さんにアドバイスを頂きながら、ここに、“学術企画”を新たに組み入れていく予定でいます。
また、運営費も今まで自転車操業だったため、次へと発展させていく術がありませんでした。このことからも、予算についても一からの見直しに取り組み始めたところです。
個人的にも、次の代をサポートしていく立場として活動を続けていく予定です。
NU Research:
まさに「学生自治の祭典」という理念通りですね。今年は特に“マンパワー”が足りなかったとは言え、消極的にならず、皆が工夫して取り組み、また今後の改善に向けても大きく飛躍できた年のようです。これからの「名大祭」そして「秋革祭」の新学術企画も期待しています。