名古屋大学協力会「研究シーズ提案」セミナー
「炭素系硬質薄膜の高靭性化への挑戦」
名古屋大学と名古屋大学協力会は、今年度、新しい企画として、名古屋大学教員のシーズを皆様に提案し、大学と企業様との共同研究などに発展することを企画しております。従来の講演会、セミナーとは別に「研究シーズ提案」セミナーとしてご案内いたします。
今回はその第2回目のセミナーです。先生のシーズにご興味を持たれましたら個別に先生との面談により、さらに突っ込んだシーズとニーズのマッチングをさせていただきます。
ご関心のある企業様の多数のご参加を期待しております。
【開催日時】平成30年 1 月 15 日(月) 15:00~17:00
【 開催場所】名古屋大学 ベンチャービジネスラボラトリー内 3階ベンチャーホール
(会場地図) http://www.vbl.nagoya-u.ac.jp/access/index.html
【参加費用】無料
【定 員】 80名(定員になり次第締め切ります)
15:00~16:30
1.【シーズ紹介】 テーマ:「炭素系硬質薄膜の高靭性化への挑戦」
講師: 名古屋大学大学院 マイクロ・ナノ機械理工学専攻
准教授 野老山貴行 先生
<概要>
自動車産業をはじめとする産業界において、摩擦の低減と材料寿命の向上は生産性の向上、設備保全費の削減のために必要な技術です。炭素系硬質薄膜は低摩擦係数を発現できる材料として注目されており、金型、部品、エンジン内のピストンリングやライナー、刃物表面の保護膜や高機能化のために利用されている。しかし、現在の炭素系薄膜は脆性材料に近く、材料内に内部応力が存在し、割れや欠けが発生しやすい材料でもあります。薄膜を高靭性化させるためのキーアイデアとして、成膜時に使用する原料の固体の炭素にカーボンナノチューブを導入する方法や、ガスから成膜する場合には、原料ガスにカーボンオニオンなどの微粒子を配合して、成膜される薄膜内部に網目構造を構築し、靭性向上を狙うものです。
靭性向上は金型への適用のために必須の技術で、引っ張りに強い薄膜創製技術の出現は、産業界に大きなインパクトを与えるものと期待しています。是非一緒に研究を進めていただけますと幸いです。他にも以下の研究に取り組んでおります。
・ 研磨面内における砥粒挙動観察のための蛍光発光を用いた直接観察法の開発
・ 蛍光発光標識法を用いた境界潤滑摩擦面への摩耗粒子の入り込みの可視化
・ 表面増強ラマン分光法を用いた炭素系薄膜の極表面評価手法の確立
・ 環境制御型電子顕微鏡を用いた初生霜のマイクロメートルスケール観察
16:30~17:00
2 名刺交換会・個別相談会
【お申し込み・お問い合わせ】
名古屋大学協力会事務局
電話/FAX:052-782-1811
e-mail: kyouryokukai@aip.nagoya-u.ac.jp